キラー・エスケープロイヤル
Ryuu65
1話 集められる運命
周りには何もない海の真ん中、そこから見えるのは水平線と……どうポジティブに見ても過酷そうな無人島があった。
その無人島に船に乗って、様々な人がやって来た。
しかしそれらの人はなぜ自分たちがそこに集められたのか分からなかった。
船着き場に降りた人たちが訳も分からず立ち尽くしていると、ゲームマスターの手下と名乗る者からルールの書かれた紙が配られた。
【キラー・エスケープロイヤル】
ルール・条件
一条 この紙が破かれた場合その持ち主を殺す。
二条 ゲームマスターを
三条 ある程度人数が減った時点でこのゲームはクリアとす。
四条 このゲームをクリアするもう一つの方法は他者を
五条 無人島では何をしても良く、何を使っても良しとする。
六条 海を泳いで帰れるならば帰っても良いが、沖の方には餌を与えて
いないホオジロザがメが泳いでいる。
七条 このゲームは無人島で殺人鬼から逃げ、生き残りを懸けるその名とお
りキラー・エスケープロイヤルである。
何故か四条だけが途中から塗りつぶされ読めなくなっていた。
「皆さんにはあらかじめ無人島に一つ持っていくなら何を持っていくか聞いていたと思います。初めの持ち物はその道具のみとさせていただきます」
俺の周りには、何言ってんだよとあざ笑う人。いろんな国の人と話してる人。
化粧品って言っちゃったよーとかブリってる人。真面目に頑張ろうとしている人。
特にほとんどは、この話を信じていなく何がしたいんだと謎と怒りがこみ上げているようだった。
確かに俺もこんな事は信じられないが、信じてしまえる根拠が二つある。
一つは他の人が皆に無人島に持っていくもの何にしたと聞いて答えていない人が一人もいないのだ。あらかじめ聞いていることから現実味が増す。
二つ目はこの人数だ。人は最低でも一万人いてもおかしくなく、その人数が鉢合わせになるのが難しそうなほど大きい島。たかが嘘でここまでやるだろうか?
「ゲームマスターを罵倒したら殺される?何言ってんだよじゃあ試してやろうか?ゲームマスターのバーカバーカ!」
フラグ立てやがったなあいつ……。
その直後に先程までニコニコしていた手下がゲームマスターをバカにした人に近づいたと思ったら………ポケットからナイフを取り出しその人の心臓を優しく貫いた。
「ゴ…ゴハッ!…お…お前……」
静かに吐血した男は前に倒れた。
「きゃああああああ!!」
目の前で簡単に人を殺されたため皆パニックになる。
「お静かに。このルールさえ守っていただければこちらから意図的に殺すことはありませんのでご安心を。では最後に、殺人鬼の特徴や能力が載っている図鑑を差し上げますので一万人の皆様、頑張ってください」
遠くに見える大きな檻がそうだろうか…だとしても普通じゃない。
今まで冷静に保っていたが、そろそろ限界だ。
「それでは一万人の皆様、頑張って生き残ってくださいね。死んでらっしゃい」
言ってることと送り言葉の矛盾が激しい。
ゲームマスターの手下は、無人島にもっていく道具一つを持った九千九百九十九人が森の中に入っていくのを、いつまでも悪魔……いや、死神の微笑みで見送った。
「死んでらっしゃい」
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