第18話 ファイナル カウント UP

「あなたの寿命は長くてあと1億万年です」


「先生、損なのに長いのですか?」


「永いのです」先生は眼鏡の中央の短いつなぎ部分を右手人差し指で思いきり押し上げる。




「この先ど追うすれば」


「ただ、ただ1日を短々とあの男を追えばいい」先生は目をそらす。




「では、これで診察を終えます」


「宣誓!さようなら」



BOKUは加速化しつづける男を追い激走する。「ついに追いついた!まず、この男の顔を見よう」


BOKUのカウントUP


「100億万1回、2回、3回…」


なかなか、終わらない。やり過ごし過ぎたな。BOKUは人間というものの本質を分かっちゃいない。邪気が邪魔して顔を見ることはできなかった。


相対的に自分の年齢は老いていく。「3,2,1 ゼロ」最後の一滴の点滴が凍りついた。何か見えた気がする。ザ ファイナル カオ アンサー?


「てれふぉ   」プツンと僕の糸電話は切れた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る