第7話 「雨粒で見えない」

霧雨が降って来た


だんだん強くなる


BOKUの頬を雨粒が叩く



「ほっぺたに米粒がついてるよ」友は言う


「ああ」BOKUは取ろうとするが取れない



雨粒だから


「お前、危ないぞ。消えていくぞ。きちんと自分の頬見てるのか?」上司は言う


「澄みません」


BOKUの眼前は雨粒で見えない


遠い未来も見えない気がするが、薄目でよーーーく、遙か遠く異国を覗くように見てみると、黄色い夕焼けが見える。


セカイNO果てはキイロナンダナ


歩道の信号機に黄色が追加されている。


「そこの車、突っ込むなよ…ああ、やっちゃった。どうもこうもないな。次はちょっと長めに黄色のままでいるか」


「おまえどうかしてるな」1丁先の同僚がポツリぼやく。


今日も霧雨で、見通しが悪い。黄色で突っ込むあの車のキロ感が読めない。霧雨が目に沁みて、もうこれ以上の惨事は見たくない。BOKUは永遠に黄色になった。

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