第24夜・剣を握れ

縋る。


少しでも、桃の記憶に縋る。



怖くないよ、痛くないよ、安心だよ、戦わなくていいよ、

___________姉様がいるからね。



優しく包み込んでくれるような……

そんな、幻想が見られるように。




しかし、無慈悲にも桃の記憶は優しく甘やかす物ばかりではなかった。


「立ちなさい。」










「神楽。立ちなさい。

そして刀を、

剣を握りなさい。

立ち向かう事を諦めては駄目よ。貴女は私の後継者の様なもの。

団のみんなを…

集落のみんなを守るのが、

今の私の仕事。その後を継ぐ貴女も、全てを守る努力を


命を懸けてすることが仕事となるわ。」








「…だから……………

_____________立ちなさい、神楽。

立って、剣を握って、立ち向かって。

そして、

みんなを守るの_______!!」







鍛錬が怖くて、嫌で泣き続ける神楽に、桃が掛けた言葉だった。

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