空虚
ざわ。
第1話
空虚
小説を読み始めたのは、多分高校2年生頃だった。 それまで小説を読んだことなどほぼ皆無だった。にもかかわらずなぜか、(今考え ても理由を思い出すことはできない)小説を読み始めていた。
何かを、空白を、埋めたかった。
小学生の頃は、野球を、中学生の頃は、ハンドボール(部活)を、高校1年生の頃 は、ゲームを。 これまでの人生、うまく気づかないふりをしていたのか、本当に気付いていなかっ たのか、
今考えても無駄だ。あの頃の感情なんてもうとっくに忘れた。 そして気がついた。
なにもない。
空白
ただ、ご飯を食べ、学校に通い、クラスメイトと一言二言だけ話して、本を読み、 寝る。生きるために生きてなにが楽しいんだよ。
つまらなくてしょうがねぇよ。
空白
埋めるために始めたはずが、その穴は広がる一方だ。でも、俺は、その穴を広げ続 けるだろう。
そこに何かあると思って。
空虚 ざわ。 @wakoudo
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