第4話 予知夢



ある日僕はすごく嫌な夢を見ました。



夢の中で僕は病院にいて同じ病室には井上さんと近藤さんという方がいました。



2人は仲がいいのかよく会話をしていたんですが俺はその2人の輪に入れずにいました。



病室でただ立ち尽くしているのです。




二人が会話しているのをただ見ていたのですが、夢の中で井上さんは突然倒れそのまま亡くなってしまいました。




その瞬間、僕は目が覚めたのです。





(あぁ...嫌な夢だったわ目覚め悪い..)




そう思いながらボーっとしていると当時交際していた彼女が僕の家に来ました。



彼女は看護師の仕事をしていて夜勤の時はいつも朝僕の家にきてまた仕事に行くという


半同棲のような感じになっていました。




僕は夢のせいで正直気分が悪く、そのタイミングで彼女が帰ってきてよかった~なんて思っていたのですが



相当顔色が悪かったのか彼女が『大丈夫?』と聞いてきたのです。



そして僕は彼女にさっき見た夢の話をしました。



とくに何も考えず見たままを話していると彼女が担当している患者に井上さんという人がいると言うのです。



すごい偶然だな~と思い夢で見た通りの井上さんの特徴を彼女に言いました。





僕「井上さんって右目の隣にホクロが二つあったりする?笑」



僕がそう言った途端彼女の顔が一気に青ざめたのが分かりました




僕「え?ほんとにあるの・・?」



そう言うと彼女は静かにうなずいたのです




(まさか...こんなことって...)




あるわけない。

心の中で必死にただの偶然だと言い聞かせてました。



ですがその日の翌日、

彼女が担当している井上さんは心臓発作で倒れ亡くなったというのです。



元々井上さんは軽い手術で入院していてあと数日で退院というところだったそうです。




正直恐怖もあったのですが、会ったことがない人なので一週間もすればこの事はほとんど気にしていませんでした



しかしその数日後



俺はまた同じ夢を見ました。


ですが夢の中で亡くなったのは井上さんではなく、今度は近藤さんだったのです。


近藤さんが呼吸困難になり倒れた瞬間、俺は夢から目覚めました。





また嫌な夢...


怖く嫌な予感がしていました。



彼女が帰ってきたら話そう。



そう思って帰宅を待ってると2時間くらいして彼女が来ました。


そして俺はすぐにさっきの夢の話をしました。




するとすぐに彼女の顔が青ざめ

井上さんと同じ病室にいた方の名前が近藤だと言うのです。



そしてまた顔の特徴を話すと全て合っていました。



彼女も俺も怖くなり見なかったことにしよう...


この話はしなかったことにしよう


そう思っていました。




でもその翌日、

彼女が仕事に行くと近藤さんは亡くなっていました。

夜に突然心臓発作がおき、そのまま息を引き取ったということでした





僕は二回も誰かが死ぬという予知夢を見てしまったのです。



これからも見続けてしまうのか

そしてなぜ全く知らない人が夢の中で死ぬのか


なぜ関わっている彼女ではなく僕が見たのか



今でも原因は分かりませんが、

数年経った今もまた同じような夢を見てしまったらどうしようと恐怖でいっぱいになってしまいます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る