叶わない恋…ずっと前から好きだった

源麗々

第1話


「また、振られた。これで何度目だろう────。」


そんな彼女の声は少し震えていて。今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られるけど、きっと君はそれを許してくれないんだろう?アイツじゃなきゃダメなのも、俺じゃ駄目な事も、全部知ってる。──ずっと隣で見てきたから。


「今度こそ俺にしとけって。」

「ん〜卓とは友達でいたいの〜恋愛なんて考えられないよ〜。」

「っ…」


君が笑う顔が俺は、大好きなんだ。笑う顔だけじゃない。君はキモイって言うかもしれないけど、声も匂いも性格も何もかも、言い表せない位好きなのにな。俺はいっつも報われない。でも、


「まぁ、こうして小春の相談役やれるのって俺だけだもんなー」

「んふふっ、そうっ!これからも私の相談役よっろしくぅ〜!ふぅ、なんか卓と話してると気持ちが明るくなるよ。本当にいつもありがとう。」

「……まぁ、これからも面倒見てやらない事も無い。」

「うわっすっごい上から目線!ムカつく〜そろそろアンタも彼女作りなさいよ。」

「いや、俺長年片想いしてる女の子居るから適当に彼女は作らない。」

「えっえっ?知らなかった!ちょっとその子誰?同僚?昔の同級生?」

「教えなーい。」

「え、ちょ、ケチー!!!」


君を励ます事が、幸せだったりするんだ。


「ハル」

「何?」

「…幸せになれよ」

「…暫くはなれそうにないや…」

「今すぐじゃなくていい。いずれ、好きな人と結婚して、子供産んで、長生きしろよ。」

「卓もね!お互い結婚したら家族ぐるみでBBQしたりしようよ!」


将来、君の隣りに俺は旦那として、そばにいるのだろうか。そんなのは俺の願望でしかないけど、そうであると、いいな。

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