120(2,999歳)「VS 四天王3番手!!」
ってことで四天王3番手フォーメ・ド・ラ・バフォメットと『魔法決闘』開催!
アデスさんから教えてもらった『魔法決闘』のルール!
その1、絶対に相手を殺してはならない。殺してしまった場合、殺した側が負けとなる。
その2、公平な第3者の審判をつけること。
その3、代理人は認めない。必ず当事者自身が決闘すること。ただし当事者が複数人いる場合、複数人 VS 複数人や1名 VS 複数人は可。
その4、できるだけ攻撃魔法は使わず、穏便な方法で実力を示し合うこと。
『魔力至上主義』と言いつつも、むやみやたらに人死にが出るような仕組みではないようだね。
「ってことで商人ギルマスさん、審判をお願いします」
【アンリミテッド・リラクゼーション】によって強制覚醒させた商人ギルマスさんにお願いする。
「えええっ!? そんな大役引き受けられませんよ!」
「そこをなんとか!」
言いつつ極大ブリリアントカット・ダイヤモンドを握らせる――大きすぎて、『握らせる』というより『抱えさせる』――と、
「よろこんで!」
商人ギルマスさんが居酒屋さんのようなことを言って快諾してくれた。
「なっ!? あなた今、無詠唱でそのサイズ・精度のダイヤを生成したの!?」
「はい? そうですけど何か? あれ、もしかしてバフォメットさん、できないんですか?」
「できるわよ! むむむ……ほら!」
ずももももっとひと抱えほどもある【ダイヤモンド・ボール】を無詠唱で生成し、ものっそい威力の【ウィンドカッター】でブリリアントカットに仕上げるバフォメット氏。この間わずか3秒ほど。
……ふむ。四天王の名は伊達ではないか。
でもディータやノティアさんほどじゃないよな~。
「それであなた、【魔法決闘契約】書は持っているのかしら?」
「こちらに」
【アイテムボックス】から取り出したるは、【取引契約】亜種の、魔王国オリジナル魔法【魔法決闘契約】を【
「あなたが私に決闘で勝つなんて万が一にもあり得ないでしょうけれど……勝利の対価に望むのは『ピコピコ』販売の継続かしら?」
「いいえ」
バフォメット氏へにっこりと微笑みかけ、
「あなたの命を望みます」
「はぁっ!?」
「私が勝てば、あなたを私の奴隷にします。その代わり、私が負けたら私があなたの奴隷になりましょう」
「な、ななな……狂ってるわ! そんな取引、応じられるわけないでしょう!?」
「あれ? 負けるのが怖いんですか?」
「…………………………………………あぁんッ!?」
再び吹きすさぶ【威圧】と【闘気】。
そして気を失う商人ギルマスさん。
◇ ◆ ◇ ◆
双方【魔法決闘契約】書にサインをし、表に出て
「じゃ、何で魔法比べしましょっか」
「あなたから私に挑んできたのだから、勝負内容は私に決定権があるわ!」
そうそう、そういうルールなんだよね。
「より頑丈な物質を生成できた方が勝利とするわ!」
「ほぅ」
ダイヤモンドを無限に生み出せる、【土魔法】LV9の私に対して?
「神々の山脈に秘められし幻の鉱石よ、万物に勝る硬き巌よ、我、フォーメ・ド・ラ・バフォメットの生命力を対価に、今こそ顕現せよ――
【オリハルコン・ボール】!」
バフォメット氏の手の中に、銀とも白とも青とも言えない、不思議な色でキラキラと輝く鉱石の球体が!
「おぉ~~~~! オリハルコン生成魔法!」
「ぜぇっぜぇっぜぇっ……そ、そうよ! さぁ、あなたが生成したダイヤモンドとこれをぶつけて、どちらが硬いか勝負といきましょう!」
おぉ……相当に魔力を消耗している。詠唱の中に『生命力を対価に』なんて入ってるくらいだし。
「ダイヤじゃ負けちゃうじゃないですか」
「あははっ、でしょうね! じゃあ負けを認めて、おとなしく私の奴隷になるということでいいわね?」
勝ち誇るバフォメット氏に手のひらを見せて、
「神々の山脈に秘められし幻の鉱石よ、万物に勝る硬き巌よ、我、アリソンの生命力を対価に、今こそ顕現せよ――【オリハルコン・ボール】!」
「はぁっ!?」
私の手のひらにすっぽり収まるサイズのオリハルコン――バフォメット氏が出したのよりも大きい――を見て、口を開けたまま固まるバフォメット氏。
ちなみに詠唱の『アリソン』の下りでは、口に出さずに頭の中で詠唱する『影詠唱』で『アリス・フォン・ロンダキルア』と詠唱している。
あはは、私に神級魔法の詠唱を教えるとかバカだなぁ。
っと、【ステータス・オープン】! おおお、【土魔法】がLV10になっとる。
「これで互角ですね」
「そ、そんっ、そんなっ!?」
「しかも私のやつのが大きいから、これはもう私の勝ちでは? ね、商人ギルマスさんもそう思いますよね? ……って、気絶してる」
「む、無効よ! この勝負は無効だわ! オリハルコン同士では硬さ比べができないもの!」
「じゃあどうするんです?」
「魔力腕相撲で勝負よ!」
『魔力腕相撲』。
何とも間の抜けた響きの言葉だけれど、アデスさん常識講座によると、最もポピュラーな『魔法決闘』方法なんだとか。
腕相撲するみたいに互いの手を握り、せーので【
純粋な、魔力と魔力の殴り合い。より魔力が高く、【魔法操作】スキルが上の方が勝利する、『魔力至上主義』らしい勝負だね。
注意点としては、相手が気絶したのになおも【
「いいですよ。じゃあ台を出しましょっか」
ずもももも……
オリハルコン製の、世界一頑丈であろうテーブルが地面から生えてくる。
生やしたのはもちろん私。だって【
「なっ、なっ、なっ……え、今、無詠唱で!?」
「ほらほら、いちいち驚いてないでさっさと始めますよ! この程度じゃ、あっという間に自然回復しちゃうんですから」
言いつつ【ステータス・オープン】すると、ぎゅるぎゅる自然回復してる。そりゃ【ダイヤモンド・ボール】なんかとは比べ物にならないくらいMPを消費したけど、MP10億あるからなぁ私。
「ええい、ままよ!」
言って私の手を握るバフォメット氏。
あはは、現実で『ままよ!』って言ってる人、初めてみたよ。
正確には、『どうにでもなれ』的な意味合いの魔王国スラングだけどさ。
「「せーのっ、【
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追記回数:26,042回 通算年数:2,999年 レベル:5,100
次回、四天王との魔法腕相撲の勝敗やいかに!?
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