96(2,970歳)「聖女量産計画!」
「聖女が足りないなら、増やせばいいんですよ」
全知全能神ゼニス様の、意味不明なご発言。
聖女を、量産??????
「称号【聖女】持ちなら、聖女固有スキル【極大聖域】と【極大神級物理防護結界】が使えますので、聖女がたくさんいれば何とかなりますよ。アリスちゃんが守りたい地点はいくつあるんですか?」
「ええと……【おもいだす】! 都・街・村・畑・設備・河川等々含めて6,153ヵ所です」
「じゃあ1ヵ所はホーリィちゃんに守ってもらうとして、あと6,152人の聖女がいればいいんでしょう?」
「??????」
「できますよ、アリスちゃんの【
「おぉぉ……な、なんと」
「聖女の条件は、幼い女性で、処女で、品行方正で、清廉潔白で、信心深く、一定以上の魔力と魔法力を持つ者です」
「んんん……?」
実は一緒にこの不思議空間に来ていたホーリィさんの方を見る。
それなりのご年齢であり、処女かどうかは知らないが、ドラゴンの首を素手でへし折り、宿を取れば酒場で蒸留酒飲みながら胡坐をかいてガハハと笑い、清廉潔白ではあるだろう確かに。信心深いのも間違いない。でも……うーん?
「アンタ今、失礼なこと考えたろう?」
ホーリィさんからのゲンコツ。
「イタッ!」
「アタイが聖女になった時は、まだ幼かったんだよ」
あ、そゆこと……。
「ちなみに何歳までですか?」
「未洗礼――9歳までですね」
◇ ◆ ◇ ◆
というわけで6,152枚の【契約】書を書いた。
6,152人の幼女以上少女未満を【
「お邪魔するわよ~」
ロンダキルア辺境伯領都郊外、『アリス学校』にて。前世では城塞都市に建てた職業訓練校『アリス学校』だけど、今世では領主権限で領都の方に建てた。だって城塞都市、危険だもの。
「「「「「邪魔するなら帰ってぇ~」」」」」
グラウンドの中央上空に現れた私が所定の挨拶をすると、バッチリ教育済の幼児以上少年少女未満の子供たちが返しをくれる。
ちょうど休み時間を狙って来たので、たくさんの子供たちがボール遊びなんかに興じていた。
「りょうしゅさま~」
「ゆうしゃさま! ゆうしゃさま!」
「アリス様だぁ~!」
地上に降りると、子供たちが群がる。抱きつかれ、よじ登られる。かわえぇのぅ、かわえぇのぅ。
そのうち、校舎の方からもたくさんの子供たちがわらわら出てきてグラウンドがすし詰め状態になった!
なんたって領都中の浮浪児全員をかき集め、どころか王都や他領からも浮浪児たちをもらい受け、別に浮浪児や孤児でなくても、極めて質が高く科学的な『アリス学校』での勉強を希望する子弟は全員受け入れたんだ。
その数、24,596名。
マンモス校か! 大学か!
「女の子のみんな~!」
ふわりと【浮遊】し、視線を集めながら【拡声】で学校中に声を届ける。
「聖女になりたい子、手ぇ上げて~!!」
「「「「「えぇぇえええええええ!?」」」」」
◇ ◆ ◇ ◆
集めましたよ、6,152人の聖女候補。
候補っつってもMP鬼養殖で、多少品行方正さや清廉潔白さや信心深さが足りなくてもゴリ押しするつもりなので、実質全員聖女だけど。
ってことでいつもの魔の森別荘を【
◇ ◆ ◇ ◆
「よく来てくれた、勇気ある聖女候補生たちよ!」
魔の森別荘の裏手をまたがばっと【森ごとアイテムボックス】し、そこに6,152人を集め、なんと陛下がご挨拶。
小さい子たちは『あのおじさんだぁれ?』『王様? 王様?』みたいな感じだったけど、年長さんたちは恐縮しきり。
しばらくの訓示の後、
「諸君らの名は、王国とともに永遠に残るであろう! 以上じゃ」
「「「「「
ぶふぉッ!
何割かの、礼儀を知っている少女たちからの最敬礼での返礼! 物凄い光景だ……。
あ、陛下が手招きしてる。
ステージの方へふわーっと【飛翔】していくと、
「交代じゃ」
「アッハイ」
今度は私がステージに立ち――立つだけでは身長が足りないから【浮遊】し、
「それでは勇気ある幼女少女の皆さん! 皆さんには、とりまレベル200になってもらいます!」
「「「「「ヒッ!?」」」」」
5歳以上――レベル100の子供たちが悲鳴を上げる。あはは、あの容赦のないレベルアップ酔いを思い出したらしい。
女子供相手でも、私ゃ容赦しないよ?
なぜなら、私自身が(見た目は)女子供だから。
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追記回数:25,671回 通算年数:2,971年 レベル:5,100
次回、アリス、6,152名の幼女少女たちを容赦なくレベリングしつつ、甘味で操縦する。
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