男装令嬢は舞台で舞う
マキシム
第1話
とある学園の屋上・・・・
【アーシア・インジェント】
「私、ずっと前からセシリアお姉様の事をお慕い申し上げておりました、どうか私と結婚を前提にお付き合いください!」
【セシリア・シークハルト】
「えっ、ええええええええ!」
乙女ゲームの悪役令嬢であるセシリア・シークハルト公爵令嬢は現在、乙女ゲームのヒロインのアーシア・インジェント男爵令嬢に告白されたのである
【セシリア・シークハルト】
「どうしてこうなった。」
それは遡ること10数年前、セシリアが3歳の誕生日を向かえたころ・・・・
【セシリア・シークハルト】
「あっ、思い出した。私は部屋で死んだんだ!」」
セシリアはふと前世の記憶を思い出したのである。前世の自分はとある劇団の男役の舞台女優で劇団の仕事が終わり、家に帰った後、大好きな乙女ゲーム「百合が咲く、徒花が散る」を全クリした後に突然、頭痛が起こり、そのまま私は死んでしまったことを・・・・
そして今、乙女ゲーム「百合が咲く、徒花が散る」に登場する悪役令嬢のセシリア・シークハルトに転生してしまった!セシリア・シークハルトはヒロインのアーシア・インジェントを徹底的に苛め抜き、最後は断罪され、国外追放されてしまうのだ!
【セシリア・シークハルト】
「いや、むしろチャンスかもしれない!まだノエル王太子とは婚約していない!」
そう、悪役令嬢であるセシリアの婚約者であるノエル・シュヴァリエ王太子とは、まだ婚約していない、つまり婚約を辞退すれば、私は断罪されなくて済む!ゲームを全クリした記憶がある!そしてもう1つ、私はある本を持ち出した
【セシリア・シークハルト】
「私が夢中で読んでいる本の【白百合の姉妹】に出てくる主人公の公爵令嬢がヒロインである平民の娘と姉妹の契りを結び、最後は主人公を陥れようとした悪役王子を国外追放するお話だったわ!しかも実話を元に作られたからね!」
セシリアが愛読する【白百合の姉妹】は男女問わず同性愛者の間で絶大な人気を誇る本であり、この本がきっかけで私のいる乙女ゲームの世界では同性婚が認められているのである
【セシリア・シークハルト】
「この本に出てくる公爵令嬢と平民の娘は本当に良かったわ。二人は身分や性別を越えて結ばれる、私はノーマルだけどいい話だったわ・・・・ってこんなことしてる場合じゃなかったわ!」
セシリアは【白百合の姉妹】を参考にノエルとの婚約を辞退し、ヒロインのアーシアを苛めない方向でいこうと心に決めた。そこから数年が立ち、シークハルト公爵家より王家より王太子であるノエル・シュヴァリエとの婚約話が舞い込んできた
【シークハルト公爵】
「セシリア、王家からノエル王太子との婚約話がきた。」
【セシリア・シークハルト】
「お父様、1つお願いしたきことがあります!」
【シークハルト公爵】
「どうした?」
【セシリア・シークハルト】
「この国で有名な占い師にノエル王太子と私の婚約の運勢を占ってほしいのです!」
【シークハルト公爵夫人】
「セシリア、なぜ占い師を呼ぶのです?」
【セシリア・シークハルト】
「お母様、これはシークハルト公爵家の命運がかかっているのです!お父様、どうかお願いします!」
【シークハルト公爵】
「分かった。」
【シークハルト公爵夫人】
「旦那様!」
【シークハルト公爵】
「セシリアの言う通りだ。シークハルト公爵家の命運がかかっているのも事実だ。占い師を招き、占ってもらおう。」
【シークハルト公爵夫人】
「分かりました、占い師を呼びましょう。」
【セシリア・シークハルト】
「ありがとうございます、お父様、お母様。」
よし、【白百合の姉妹】では悪役王子との婚約も易者の占いで決まったんだよね。あとは私とノエル王太子の婚約が占いで白紙になれば、オーケーだわ!シークハルト公爵は早速、この国で有名な占い師に此度の婚約の運勢を占ってもらった
【占い師】
「此度の婚約の運勢は大凶と出ました。」
【シークハルト公爵】
「そうか。」
【シークハルト公爵夫人】
「そうですか。」
【セシリア・シークハルト】
「残念ですわ(よっしゃああああああ!)】
占い師が帰った後、シークハルト公爵家はノエル王太子との婚約を辞退した。よし、第1関門突破!
ノエル王太子は別の御方と婚約をすることになりました。第2関門突破!
【白百合の姉妹】では悪役王子に婚約者が現れず、主人公を逆恨みしたけど、ノエル王太子は無事に別の御方と婚約ができたので、これで良しです!私というと婚約者はゆっくり探す方向で進めました
そこから十数年が経ち、私は聖ロイヤル女学園に入学した。乙女ゲームでの舞台はハルバート学園でしたが、私は念のためにヒロイン&王太子と遭遇しない方向で、聖ロイヤル女学園に入学することに決めました
【セシリア・シークハルト】
「ふふふ、ここは男子禁制の女の花園、たとえ王族の殿方でも入ることができない。」
私はついに乙女ゲームの世界から離れることができた、断罪フラグも回避できた!
【セシリア・シークハルト】
「ついに私は自由を手に入れたのよ!」
私は聖ロイヤル女学園に入学した私は、演劇部に入った。前世の記憶同様、私は男役を志願した。ちなみに現在のセシリア(転生者)の身長は170㎝の長身でバスト85㎝(Dカップ)、ウエスト58㎝、ヒップ85㎝でスタイルも抜群です。前世で培った演技力と低音ボイス、そして凛とした美貌で男役に選ばれました。選ばれた理由については男役を演じた人が卒業し後任を探していたらしく、私が適任だったらしいです
【先輩令嬢】
「ああ、王子様、私は幸せでございます!」
【セシリア・シークハルト】
「愛しの君、僕は貴方なしでは生きていけない!」
私は先輩令嬢と文化祭で行われる舞台の練習をし、休憩に入ったころ・・・・
【先輩令嬢】
「セシリア、貴方の演技は本当に良かったわ、私も思わず見惚れてしまったわ!」
【セシリア・シークハルト】
「ありがとうございます!」
【シルビア・レイン】
「本当に感動しましたわ、セシリア様!初めてとは思えないほどの演技力でしたわ!」
【エリナ・アーカード】
「セシリア様は天性の役者ですわ!」
【セシリア・シークハルト】
「ありがとう、シルビア、エリナ。」
私とともに聖ロイヤル女学園に入学し、一緒に演劇部に入った幼馴染のシルビア・レイン侯爵令嬢とエリナ・アーカード伯爵令嬢から絶賛された。そして文化祭の日、私にとって初の舞台に上った
【セシリア・シークハルト】
「久しぶりに帰ってきたわ、舞台に!」
私は舞台に上がり、緊張と興奮の中、私は演じた
【セシリア・シークハルト】
「たとえ世界が滅びようとも私は君を守る!」
こっちの世界で初の舞台はラストシーンを無事にやり遂げた後、静寂の雰囲気に包まれた
【観客】
「ブラボー!」
観客席から1人の観客が賞賛の掛け声がきっかけでスタンディングオベーションが起きた。鳴り止まない歓声と拍手、私の心は熱く燃え上がった
【セシリア・シークハルト】
「あぁ、ついに帰ってきたんだ!」
私は思わず涙を流し、舞台裏に戻った。そして舞台仲間や裏方からも絶賛された
【先輩令嬢】
「セシリア、貴方は舞台の神に愛されたのよ!」
【裏方】
「スタンディングオベーションなんて初めてよ!」
【シルビア・レイン】
「セシリア様!私、感動しました!」
【エリナ・アーカード】
「私も一緒に舞台に立てて光栄です!」
【セシリア・シークハルト】
「皆様、ありがとうございます!」
私の初舞台は見事にやり遂げたのである!私は初心を忘れず、謙虚な気持ちで望んでいきたいと思う。一方で観客席にいた1人の令嬢はずっとセシリアを見ていた
【???】
「おの御方がセシリア様、私もセシリア様と共に舞台に立ちたい!」
そして舞台が終わった後、私の学園の立場が変わりました
【令嬢A】
「あの、一緒にお茶をしませんか!」
【令嬢B】
「私と一緒にお勉強をしませんか!」
【令嬢C】
「あの私と一緒に食事に行きませんか!」
【令嬢D】
「あの一緒に買い物に行きませんか!」
令嬢たちから誘いの嵐が絶えず、続いており、私はなるべく穏便に済ませてきました
【セシリア・シークハルト】
「まさかこんなにも人気が出るとは思わなかったわ。」
【シルビア・レイン】
「それほどセシリア様の勇姿は誰の目から見ても忘れられません!」
【エリナ・アーカード】
「私たちも見惚れるくらいの演技力でした!」
【セシリア・シークハルト】
「何だか、複雑ね。」
セシリア人気が続く中で、月日が流れ、2年に進級し、私は先輩令嬢と部活仲間の推薦で演劇部の部長に就任した
【セシリア・シークハルト】
「皆様、私は部長として不慣れな所がございますが、精一杯努める所存です!皆様も心を1つに素晴らしい舞台を作ろうではありませんか!」
【部員】
「はい!よろしくお願いいたします!」
【セシリア・シークハルト】
「まず始めに今年から進学する新入生に演劇部の勧誘を開始したいと思います!」
【部員】
「はい!」
新入生入学後に部活勧誘がある、私たちはチラシや演劇の服装に着替えて、新入生を出迎えた
【セシリア・シークハルト】
「新入生の皆様、共に舞台に上がりましょう!経験未経験は問いません!見学も可能です!どうか我が演劇部の入部を心待ちにしております!」
私たちは必死に勧誘を始め、ある程度の手応えを感じた
【セシリア・シークハルト】
「シルビア、エリナ、お花を摘みに行くから、少し席を外すわ。」
【シルビア&エリナ】
「行ってらっしゃいませ!」
私はトイレを済ませ、戻ろうとした瞬間・・・・
【???】
「あっ、あの!」
【セシリア・シークハルト】
「はい。」
私は振り向くと、一瞬、凍りついた
【???】
「セシリア・シークハルト様ですよね!舞台を拝見しました!」
【セシリア・シークハルト】
「ああ。」
なんで・・・・
【アーシア・インジェント】
「どうか私を演劇部に入部させてください!」
なんでここにヒロインがいるのおおおおおおおお!
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