第141話 躊躇わないよ?
盗賊たちを根っこで地中に引きずり込んで………成☆敗☆
ハイどうも~。
この姿になって漸く(?)魔物っぽい事をしたオハナです。
バレるかバレないか、このスリルが堪らないね!とか余裕かましてたら、何故かオハナの傍らでプルプル震えるサーチェ、そんなサーチェを優しくあやすワヲさん。
………何してんの?
「どうやらオハナちゃんが村でやったことが見えたらしいのよ」
「オハナさん、サーチェちゃんに何かまたトラウマ植え付けたんスか?」
ちょっと待って聞き捨てならない。『また』って何よ『また』って、少なくともサーチェには何かトラウマ的なもの植え付けてない………はず。
そもそもこの距離で見えるものなの?此処からだと村人がゴマ粒より小さくしか見えないんだけど?
「………元々目は良い方なので」
「そっか。ドンマイ☆」
「軽いっス!!」
え~?それ以上オハナに何を求めてるのさ。
見えちゃったものは仕方がないじゃない、今更見なかった事にもしてあげられないんだもの。それに勇往騎士団時代にトゲ付き鉄球振り回してた頃はアレより酷いの見てたでしょうに。
「オハナちゃん、ちょっとスパルタ精神が過ぎるわ」
「そうっスよ。その頃のサーチェちゃんは色々ヤバい状態だったんスから」
うぬぅ………味方がおらぬ。
まぁ二人の言いたい事も解るんだけど………真面目な話、これからもオハナの庇護下に居ようとするのなら慣れておいた方が良いと思うのよ。
さっきの程度でガクブルする様なら、厳しい様だけど今すぐにでも魔王さんの所に帰った方が良いと思うよ?いつもいつでもカーマインが傍に居て守ってくれるとは限らないんだから。それに余計な被害を出さないためにもある程度は身を守らなきゃいけないわけで、つまりえーっと何が言いたいかって言うと――――――。
「
ワヲさん!?オハナが言いたかったことと大体合ってるけど、そうはっきり言われちゃうと何か否定したくなってくるじゃない。
「えーっとワヲさんの言い方はアレだけど、明らかに降りかかってくる面倒事は見えるうちに処理した方が良いでしょう?見えなくなって被害を被るのが
それでも気分の問題もあるから、やりたくない時は明日の自分にスルーパスする時もあります。だって面倒事っていつ誰が何処でやっても面倒な事に変わり無いんだもの。
「方法は物騒っスけどね」
「茶化さないの」
とにかく、オハナが言う事じゃないんだろうけどオハナが望む、望まざるに関わらずオハナ近辺ではトラブルが尽きないんだもの。オハナダンジョンメンバー並とまでは言わないけど、ある程度はどーんと構えてないと無駄に疲弊するだけだよ?
「それはそうっスね。特にオハナさんの傍にはヤバい眷属ツートップの3号と7号が居るっスからトラブルとは無縁で居られないっスね、さながら行く先々で殺人事件が起こる名探偵みたいな感じっス」
………さすがにそれはオハナが厄災レベル過ぎん!?気軽に旅行も出来ないじゃない!?
「そうねぇ。あの二人はオハナちゃんじゃないと制御できないもの」
ワヲさん………そこは否定してほしかった。
でもきっちりと言いたい事は言っておこう。
「オハナにもあの二人は制御できませんが?」
ついでに言うとまだ二人がマンドラゴラだった頃くらいしか制御できたことありませんが?それとその強烈な二人が居るせいで印象が薄いだろうけど、オハナの眷属は総じてヤバい連中だと思うの。
「お母さまに呼ばれた気がしたわ!!」
「呼んでません」
影からひょっこり顔を覘かせた3号を蔓で即座に押し戻す。
ついでに何故か出てきてた7号のおしりもスパーンと引っ叩くことで影に戻す。
一応オハナたちの言い分を考えてくれているのか、震えが止まったサーチェは何も言わずにただ黙り込んでいた。
最初から「そんなの無理だ」って突っ撥ねずに、ちゃんと此方の意見を考えてくれるだけ好感が持てるね。
そうこうしていると一旦村の周囲に待機してくれていたコテツさんたちが戻って来た。正直まだコテツさんの擬態を見慣れてないから一瞬「誰?村の人?」ってなったのは秘密。
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