第24話 オハナ本気のおもてなし

「ウェーイ!みんな元気してるぅ?”ツバサのガチオズちゃんねる”今日は生配信ではっじめるぜーい☆」


これから襲撃しようってのに態々生配信とかやらかしちゃうアホ一人を捕捉w


「最近聖域を騒がせちゃってる迷惑極まりない魔物を俺っちたちが華麗に成敗してやるぜ~ぃ☆」


迷惑極まりないのはお互い様だと思うんだ。


「で、今回の作戦は――――――………」


あ、そこまで言っちゃうんだ?



因みにだけど、既に彼を含めたパーティー四人全員をオハナの眷属たちが取り囲んでいたりする。

今まで知らなかったんだけど、やろうと思えば眷属の視覚・聴覚を通じて情報を得る事も可能らしく、最初は1号から突然送られて来た視覚と聴覚の情報にビビった。

丁度今それを使って彼らの生配信を聴いてるんだけど…………。


「――――――即死耐性の装備でガッチガチに固めりゃ余裕っしょ?」


…………予想通りと言えば予想通りなんだけど、もう少し捻りを加えてほしい所ではあるかな。

まぁ楽できるに越した事はないから良いですけどね?


それじゃあオハナたちも始めましょうか?

盛大な歓迎パーティー、その名も「即死がダメなら毒で攻めれば良いじゃない」作戦です。


1、2、5号が一斉に〖毒ダメージフィールド〗の効果範囲内に入るように移動する。そしてすぐに1号は踊りを開始して、2、5号は彼らの足止めに徹する。

オハナも直ぐに3、4号を彼らの近くに射出、その二人も彼らを取り囲むように眷属を射出、効果は当然全員〖毒ダメージフィールド〗。

合計11体による〖毒ダメージフィールド〗の一斉展開。

通常の〖毒ダメージフィールド〗だったら効果なんて知れてるけど、オハナには〖狂宴の主催者〗というバッドステータス強化スキルがある。


後は向こうの回復アイテムが切れるまで時間を稼げばいい。

これがオハナのお・も・て・な・しみなごろし



「うおっ!?何だよコレ!?状態異常………毒!?」

「回復アイテム!!急げッ!!」

「あぁっ!回復が追いつかねぇ――――――!!」

「くそっ!だから生配信なんて止めようって――――――!!」


どうやら四人の内二人は仕留めることが出来たみたい。

だけどやはりツバサよりも手強いだろう傍らのドレッドマッチョ…………ゴリさんは生き残っちゃったか。

重戦士らしく大盾を装備しているのでHPも豊富だと思っていた方が良いだろう。

狙撃しても盾で防がれて大したダメージにもならなさそうだし、めんどいから後回しにしたいけど……………。


「俺が引き付ける!その間に数を減らせ!そうすればダメージも減るはずだ!!」


盾役ならやっぱ持ってるよね〖挑発〗、おかげでみんなあのゴリさんに集中しちゃったよ。

だけどそれはこっちも想定内だ。


2号!!力の限りやっておしまいなさい!!


挑発の効果があってもオハナの指示は何故か届く、そして2号はゴリさんに向けて〖ブレイク〗を発動。

狙いは盾、けど破壊することが出来なかった。


ちっ!失敗か、ならば何度でも叩きこむまで―――――。


その間にツバサは近くに居た5号と交戦中だった。


「何やってんだ!?植わってるマンドラゴラを優先して叩け!!でないとジリ貧だぞ!?」

「わーってるっつうの!!俺に命令するんじゃねぇ!!」


この二人実はそんなに仲良くないのかな?

それとツバサ?早くもキャラ崩壊してるよ?

さっきまで自分の事「俺」じゃなくて「俺っち」って言ってたでしょ?

もう余裕が無くなったのかな?

チャラ男キャラはビジネスだったみたい、まぁオハナにはどうでも良いけど。


お仕事チャラ男も大変ですね?




とりあえず手数は減らせたし、時間も稼げた。

それじゃあ次行ってみよー。


スキル〖蔓力強化〗発動!!


この前生えたばかりのスキル〖蔓力強化〗。

これは名前の通り蔓の力を強化するのとは別に、という効果もあった。

だからオハナが今居る場所からうねうねと蔓を限界まで伸ばし…………。


「うおっ!!?」


オハナの蔓をツバサの両足に巻き付け、そのまま力一杯引っ張り転ばせる。

びたーん!!と顔面を地面に強打したようだけど気にしない。

そしてそのままの状態で地面を引き摺り、オハナの下までご案内~♪


「うわあぁぁぁぁぁぁ――――――…………!!!ぐぺぇ!!!!」


勿論、途中にある樹とか石とか気にせず無理矢理力任せに引っ張って来るので、オハナの下に辿り着いた時にはツバサはボロ雑巾の様になっていた。

聖域にエセチャラ男の短い悲鳴が聞こえて、それが徐々に近付いて来る。


「あ………………あ……………」


へぇ…………こういうのでもダメージはちゃんと入るんだ。

ビジネスチャラ男の惨状を見て出てきた最初の感想はそんなものだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る