円卓のヴァイアス
@cedcgy1212
プロローグ
プロローグ
「イツキ君!」
少女は、少年の名前を叫んだ。
少女の目に映るのは、ビルよりも大きな動く生き物。
それは、同じもう一体の生き物と戦っていた。
「くっ……」
少年は、光り輝く剣で相手の攻撃を捌き、反転して、そのまま自分の攻撃へと転じる。
その生き物は、今の人間の科学では不可能と言われていた誰もが子供の頃に夢見た乗り物。ロボットだ。
「くっそぉおおおおお‼」
少年は叫び、隙を見せて相手を斬った。
ドンッ!
大きな爆発音が鳴り響き、敵は塵一つもなく爆発と共に姿を消した。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
少年は息を切らしながら、ゆっくりと肩の荷を下ろした。
戦いで流れた汗が、冷たく額から流れていく。
地上で見上げていた少女は、ホッとした顔になり、緊張が解れていく。
「イツキ君……」
少女は手に胸を当てて、少年が搭乗するロボットを見続けていた。
赤い夕陽に包まれたロボットは、光と共に姿を消した。
この赤い空は、美しい。
でも、この美しい空をもう一度、同じような空を見ることはないだろう。
今日の空は今日しか見れない。明日の空は、一体どうなっているのだろうか。
それは誰にも分からない。
人生というのは、いくつもの枝分かれをしている。そして、それぞれがそれぞれの道を歩んでいくのだ。
そう、彼らの運命は偶然、何処かの枝で出会った道でしかない。それはどの道に進むのか、それすら判らないのだ。
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