アナザーアースとMDCに関する設定

世界観について

 一連の作品群は、「アナザーアース」と呼ばれる世界を舞台としている。この世界は数ある地球の並行世界のひとつで、令和初期程度の文化・技術レベルを持つ。


 アナザーアースを特色づけるのは、天賦ギフトと呼ばれる特殊能力だ。神々により与えられる能力だとされており、その種類は非常に多岐にわたる。生まれつき備わるものであり、(アディショナルゲノムを除くと)後天的に与えられることはない。与えられるか否か、どのような能力が与えられるかは完全に神々の気紛れ次第。

 天賦ギフトに関する情報は遺伝子に書き込まれているため、アディショナルゲノムのような芸当も可能である。なお、別に子孫に遺伝はしない。というかマトモに子供作れる天賦ギフト持ちの方が珍しい……と思う。


 詳細は未解明だが、天賦ギフトの保有者には歪んだ人格を持つ者が多いとされている。天賦ギフト持ちは悲惨な人生を辿ることが多い……というか、境遇が悲惨な人間ほど天賦ギフトを持って生まれやすいという言説もある。

 そんななので、天賦ギフト持ちによる犯罪が頻繁に起こる。そこら辺の能力バトル漫画なんて比にならないレベルで発生する。当初は公安の天賦ギフト持ち部隊がそれに対処していたが、まぁ無理だったため、最近は民間の犯罪対策会社と提携していることもある。

 ……それでも日本は大分平和な方で、国によっては天賦ギフト持ちが暴動起こしたり、銃乱射と同じノリで天賦ギフト乱射したりしているんだとか。


 天賦ギフトそのものは昔からあったが、昔の日本では天賦ギフト持ちは、だいたい異物として山に捨てられるなり川に放り込まれるなりしていたらしい。捨てられた天賦ギフト持ちの成れの果てが、鬼や妖怪として語られることもたまにあったという。ごくまれに(本当にごくまれに)武士として登用されることもあったらしいが、文献が少ないため詳細不明。

 明治維新により、天賦ギフト持ちはようやく社会の一員として扱われることになった。しかし今までの偏見を拭い去ることはできず、天賦ギフトを隠さざるを得ない年月が続いていた。同時に、一部の天賦ギフト持ちによる犯罪が表面化し始めたのもこの時代である。

 天賦ギフトが戦闘に有用だと知られ始めたのは、日本では第二次世界大戦の最中のことであった。天賦ギフト持ちだけの部隊が編成され、今までの戦争とは別次元の戦いが繰り広げられるようになる。皮肉にも、これが現在の公安の天賦ギフト部隊の祖先であったりする。


 そういう歴史があって、今でも「天賦ギフト持ち=ヤバい人」という共通認識があったりする。一般ピーポーにバレるとだいぶ引かれる。場合によっては就職にも支障が出たりもする。なんなら2ch界隈で、ちょっと頭おかしい人を「義父餅(≒ギフト持ち)」って呼んだりもする。

 そのせいで余計に天賦ギフト犯罪が増えるのは何の皮肉だろうか。

 政府はその辺是正したいようだが、政策の効果は未だ薄め。


 なお、天賦ギフトの存在が人類史上初めて記されたのは、フランス革命の舞台裏で暗躍したとされている存在、デストリア・ルミナセンスである。しかし、その人自身についての記述は極めて少なく、生没年や性別すら未だわかっていない(性別については今のところ、女性説が有力)。その天賦ギフトの効力は、「あらゆる人間を意のままに従わせる」というものだったとされている。


 以降、デストリエルと呼ばれる天使への信仰が各地で見られる。その天使の名を冠する能力――『デストリエルの巫女(あるいは神官)』と呼ばれている――を保有する者が稀にいるが、その活躍の場はアンダーグラウンドであることが多く、知名度はさほど高くない。一般的には『なんかわからんカルト』という扱いを受けている。

 デストリエルとデストリア・ルミナセンスの関係性は定かではない。

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