第4話
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砂漠の上空、十ミルトほどの高さにまで至った。すると途端に速度が急速に減じて、ユウリとカノンはほぼ無衝撃で着地した。
メイサの生み出した青鳥は次第に薄くなり、消失した。
「相も変わらずメイサ先生は強引かつアグレッシブですね! でもでもわたしとしては大感謝! ユウリ君との貴重な貴重なスイート・タイムを下さったことに感謝感激雨あられ! です!」
ユウリに熱い視線をやりつつ、カノンは元気に言い放った。
「……何というかだな。……うん。怒濤の展開に言葉を失ってるけど。でもこれも任務だ。こうなった以上、全力を尽くすしかないか」
心情を吐露したユウリはふうっと息を吐き、前方に目を向けた。
不毛の砂漠が続いており、その上には、雲一つない青空が広がっていた。
(さあて、何が来やがるってんだ。俺の大切な妹様は、いったい何の神託を得たのかね)
ユウリは落ち着いた心境で目を凝らした。すると視界の端に、拳ほどの大きさの物体が入ってきた。はっとしてそちらを注視する。
「何ですかあれは。……大きな蝶?」
訝しむような声音でカノンが呟いた。二人は困惑し、固まる。
そうしている間も、物体はルミラルに接近し続けていた。翼のようなものを羽ばたかせているようにも見える。やがて細部が見て取れる距離にまで至った。
推測通り、それは蝶だった。色は全身純白で、とてつもなく大きい。
ユウリが圧倒されていると、蝶はルミラルの真上にまで到達した。見渡す限りの地平が影になる。
「そんな馬鹿な! ルミラルとほぼ同じ大きさだってのか? って、あそこ……」
驚きを口にしたユウリは指を差した。
ずっと向こうの大きな砂丘の辺りで、蝶の下から何かが現れていた。人型だが背には翼が付いており、ゆったりと動き続けている。
人型の何かは着陸した。「行くぞカノン!」ユウリはすぐさま、そちらへと駆け始めた。
「待ってくださいユウリ君! 置いてかないで!」
後ろからのカノンの叫び声に構わず、ユウリはスピードを上げていく。
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