オレンチゲーム

逢巳花堂

オレンチゲーム

 午前中の授業が終わった、昼休みの教室、友人の幸介こうすけと向かい合わせで弁当を食べながら、直央なおはおもむろにバッグから財布を取り出した。


「いよいよか。いくら溜まった」


 口の中の卵焼きを飲みこんでから、幸介は尋ねた。


「五万円ある」

「おお、すげえ! 一ヶ月でよく貯めたな!」

「ふふふ、それはもうバイトバイトの日々だったさ。だが、全ては我がクラス一の美少女、倉田くらた佳純かすみを落とすため……!」

「で? で? 具体的にはどうやって落とすんだよ」

「この五万円で――ゲームを買う!」

「はああ!?」


 幸介の大声が教室中に響き渡った。


 直央は慌てて口元に指を当てて、静かにしろ、とジェスチャーで示した。


「どういうことだよ? 普通、遊園地とか、水族館とか、そういうデート資金に使うもんだろ。そこそこのディナーだって食べられるじゃないか。なのに」

「それはお前が彼女のことをよく知らないからだ」

「倉田佳純だぞ。成績は学年でもトップ一〇、体育の授業も運動神経抜群。そんなレベルの高い女を落とすのに、どうして、ゲームなんか」

「それは倉田佳純がオタクだからだ」


 直央はスマホで自分のSNSアカウントを開き、フォロワーの一人を選ぶと、その投稿内容を幸介に見せた。


「学校で気付いているやつは誰もいないと思う。秘密にしろよ」

「こ、これは……!」


 画面に映っているものを見て、幸介が絶句したのも無理はない。そこには、とあるアニメキャラのコスチュームを着て、にっこりと笑っている佳純の姿があった。コスプレだ。スクール水着をベースとした露出の高い格好をしている。


「やばい、倉田がこんな格好をしているのを見ると、グッと来るな」

「彼女をふしだらな目で見るな」

「うるせえな。正直な感想を述べただけだ。で、どうしてこのことを知ったんだ?」

「偶然彼女が俺のアカウントをフォローしてきた。一応、同じ高校の連中に気付かれないようには工夫しているようだが、俺がネット上では社会人を装っていたから、油断してフォローしてしまったようだな」

「で、お前もフォロー返しして、知ってしまったと」

「見ろ。この一連のつぶやき。ゲームのことばかりつぶやいている。しかも重度なゲーマーだ。スマホのゲームでは満足できないと言っている。据え置き型ゲームにハマっており、家での隙間時間には必ずゲームをプレイしている」

「で、でも、待てよ。それだからって、お前がゲーム買ったところで、どうにかなるのか? これだけ倉田がゲーム好きなら、大概のものはもう持ってるんじゃないか?」

「それに関してはつぶやきを見れば一目瞭然だ。いまは資金がないが、そのうち買いたいハードリストが、二ヶ月前に上がっていた。そして、ずっとチェックしていたが、彼女が欲しい物を手に入れた様子はない」

「つまりどういうことだ? お前がその五万円でゲーム機を買って、倉田にプレゼントする、と?」

「違う。プレゼントなど、その場限りで終わる下策中の下策だ。俺がやるのはただひとつ。『俺の家でゲームをやらないか?』と誘うこと、ただそれだけだ」


 と、ここで、直央と幸介のそばに、近寄ってくる人影がひとつ。


「なになに? どうしたの? 私がどうとか、ゲームがどうとか聞こえたけど」


 まさかの倉田佳純本人だ。


「き、聞こえてたのか!?」


 いきなり計画失敗かと焦った直央は、ガタンと席を蹴るようにして立ち上がり、佳純に対して身構えた。


「んーん、全然。君たちが何を話してるのかな、って興味持っただけ」


 佳純は首を横に振った。スポーティなショートヘアが軽く左右に揺れ動く。猫を想起させる丸くて悪戯っぽい目を輝かせて、にこにこ笑いながら、まじまじと直央のことを見つめてきた。


「なんの話してたの? 私の話題?」


 さっきまで熱弁を振るっていた直央は、意中の人に真っ向から問いかけられ、ただ「ああ」とか「うう」とか、言葉にならない呻き声だけを上げている。


 見かねた幸介が助け船を出した。


「いや、倉田さんって、すげー可愛いから、ゲームに出てくるようなキャラみたいだな、って。そんな話をしてたんだよ。な?」


 幸介のナイスフォローに対して、直央はただ壊れた機械のようにコクンコクンと首を縦に振るのみだ。


「そーゆーことね」


 くす、と佳純は笑い、スカートを翻して元いたところへと戻っていった。


 ぶほあああ、と直央は大きなため息をついた。


「助かったぞ、幸介」

「お前なあ。ちょっと話しかけられたくらいであの調子じゃ、家ゲームに誘うのなんて、難易度高すぎるんじゃねえのか?」

「問題ない。大丈夫だ」

「……ここまで根拠のない自信は見たことがないぞ」


 その日の放課後、さっそく直央は家電量販店へと寄り、ゲーム機を物色した。


 アドバイスをもらうため、幸介も強引に誘って。


「俺もカノジョいないから、何の意見もできないぞ」

「かまわない。そばにいてくれるだけでいい」

「……要するに一人じゃ不安ってことか」


 まずプレイステーションVRのコーナーに行った。


 今月から公式に値下げされており、五万円あればなんとか買える。


「お前、プレステ4は持ってるの?」

「持ってない」

「は!? これ、本体が無いと使えないやつだぞ! 本体まで買ったら予算オーバーじゃんか!」

「幸介は持ってるだろ」

「なに当然のように俺から借りる気でいるんだよ! 俺んとこは妹も遊んでるから、無理だ!」

「倉田佳純はVRのゲームを遊んでみたいとSNSでつぶやいていた。だが、購入資金が無いとも嘆いていた。となれば、俺の家にプレステVRがあるとなれば、彼女はきっと喜んで遊びに来る。頼む、俺のため、プレステ4を貸してくれ」

「お前、俺の妹のこと知らないだろ! 家に帰ってゲーム機が無い、ってなったら、俺、殺されるよ!」

「そうか。俺のために死んでくれるか」

「無駄死になんですけど!?」


 などとギャアギャア騒いでいるところに、スッと人影が忍び寄ってきた。


「やっほ!」


 二人の肩をポンッと叩いた、その人物は、まさかの倉田佳純本人だった。


「どぅっほああ!?」

「く、倉田さん!? どうしてここに!?」


 素っ頓狂な叫びを上げる直央と、あからさまに動揺する幸介。そんな二人を見て、佳純はクスクスと笑った。


「どうして、って、私だってゲームくらい買いに来るよ。弟がゲーム好きだし」


 さり気なく、自分の意思でゲームを買いに来たのではない、と主張している。


「へえ、何か目当てのものでもあるの?」


 妹がいる幸介は女性慣れしているから、難なく会話を続ける。だが、肝心の直央は、口を半開きにしたまま、完全に硬直していた。


「アサシンクリードの最新作」

「ああ、あの古代エジプトを舞台にしたやつか」

「そーそー! 前評判ではマンネリとかここに来て時代を古くしてどうするんだとか文句が上がってるけど別にいいんじゃないかなって思うんだよね、だって古代エジプトだよ、クレオパトラとかカエサルとか燃えるじゃない、アサシンクリードシリーズの醍醐味ってフリーランニングの楽しさもあるけど自分が歴史の中に溶けこんでるっていう感覚が面白いのであって、だからユニティなんかはそのあたりがちょっと弱かったかなあ、って思うけど、でも十分面白かったし、個人的には初代でダマスカス到着した瞬間の感動が忘れられないから現代でも遊びに行ける観光スポットよりは失われた古代文明を探索できるほうが面白いなって」


 と、一気にまくし立てた佳純は、直央と幸介が目を丸くして固まっているのを見て、ハッとした表情になり、慌てて両手をブンブンと振った。


「――って、弟が言ってて、欲しがってたから、プレゼントに買ってあげようと思ってるの!」


 わかりやすいくらいの嘘だが、そこを突っこめるほど、直央も幸介も意地悪ではなかった。


「ふ、二人は、何を買いに来たの?」


 佳純は無理やり話題を変えてきた。


 チャンスだ、と直央は思った。ここで彼女の欲しがっているハードを購入したことをアピールできれば、後でスムーズに家へと誘いやすくなる。『この間の店で買ったゲーム機、俺んちで遊ばないか?』と。


「俺は、PSVRを買おうかと思ってる」


 やっとのことで彼女の前で声を出せた。自分にしては、の大快挙に、内心ほくそ笑んでいると、何やら佳純は口に手を当てて、うーん、と考えこんでいる様子。


「PSVRかあ……」

「ん? 問題でも、あるのか?」

「画質がね。最初こそ鳴り物入りで登場したけど、結局のところパソコンでもVRゲームって遊べるし、それ専用のVRゴーグルのほうが品質はいいと思う。費用はすごくかかるけど、設備さえ整えれば、本当に空間の中に溶けこむようなVR体験ができるし、いまとなってはPSVRを買うのは賭けに近いかも。もちろん、これからどんなソフトが出てくるか、それによっては本当にブレイクする日が来るかもしれないけど」

「だけど、前に欲しいものリストで――」


 途中まで言いかけて、直央は慌てて口を閉じた。うっかりSNSをチェックしていることを自分からバラしてしまいそうになったが、幸い、佳純は気が付いていない様子だ。


「詳しいね、倉田さん」


 幸介の突っこみに、佳純は我に返った。


「い、いまのも、弟の受け売り! 受け売りね!」

「弟さんは、じゃあ、パソコンでやるVRゲームに興味があるとか?」

「うーん、興味はあるけど……あるみたい、だけど、やっぱり購入資金の問題が、ね」

「それはそれで、たとえば五万円以内で、いま買うとしたら、何のゲーム機がいいんだろ? それこそ弟さんが欲しがってるようなやつで」


 直央は横でグッと親指を突き立てた。幸介、ナイスフォロー、である。


「弟、弟ね。うちの弟が欲しがってるやつね」


 何度も「弟」を強調した佳純は、ウキウキした表情で、ゲーム売り場の中を小走りで移動し始めた。直央と幸介もその後についていく。


 ショーケースの中に置いてある白いゲーム機を指さして、佳純はにこにこ笑っている。


「これ! これ! これなんかいいと思うよ!」

「ニンテンドークラシックミニ、スーパーファミコン。聞いたことがあるな。昔のゲームがいっぱい入ってるんだっけ?」


 幸介の質問に、佳純は満面に笑みを浮かべて、うなずいた。


「そうなの! スーパーマリオワールドとか、聖剣伝説2とか、メトロイドとか、伝説になってる名作ゲームがひとつにまとまって、七千いくらで買えるんだよ! すごくない!?」


 そこまで聞いて、直央は心を決めた。


「これが、いま倉田が一番欲しいやつか?」

「私じゃなくて、私の弟ね」


 佳純は笑いながらも、強い口調で訂正してくる。


「そうか。じゃあ、これにしよう」

「え? 買うの? でもごめん、これ、あらかじめ収録されてるゲームしか遊べないよ?」

「かまわない。これにする」


 一万円札を出した直央はショーケースの横に設置されている購入カードを抜き取り、レジへと持っていく。


 あっという間に、ニンテンドークラシックミニ・スーパーファミコンの購入を済ませてしまった。


 直央は気分が高揚していた。やるべきことはやった。あとは佳純を家に誘うだけだ。


 なんなら、この場で誘ってみてもいい。


 あれこれ考えながら元の場所へと戻ると、佳純は誰かと電話で話をしている。


「ほんとに!? やったー、嬉しい!」


 何の話か、ぴょんぴょん跳びはねながら喜んでいる。


 電話を切った後、心底嬉しそうな顔で、いま何を話していたのか、佳純は報告し始めた。


「ニンテンドークラシック買ってくれるって、お父さんから電話来たの!」

「なにいい!?」


 あまりの驚きで、直央はニンテンドークラシックが入っている袋を落としそうになってしまった。


「どういうことだ! なぜ、急に!」

「うん、私、もうすぐ誕生日だから、それのプレゼントで買ってくれるんだって! 嬉しい!」

「く、倉田の、た、誕生日プレゼントだと!?」

「あ……! 違う違う! 弟の! 弟のね、うん!」


 もはや誤魔化し切れていないというのに、律儀に佳純は訂正してくる。だけど、直央にとって、そんなことはどうでもいい。


 彼女を喜ばせようと思って買ったニンテンドークラシックが、たったいま、無用の長物と化してしまった。


 無駄な出費に終わってしまった。


 表情にこそ出さなかったが、内心パニックの直央は、わけもわからないまま、ゲーム機の入っている紙袋をグイッと佳純に向かって押しつけた。


「やる」

「え?」

「倉田、の弟、の誕生日なんだろ。俺からこれプレゼントする。受け取ってくれ」

「えっと、でも、お父さんが買ってくれるから。いや、それよりも、受け取れないよ、こんな高いの」

「親父さんはまだ買ってないんだろ? いますぐ電話して、やめてもらえばいい。さあ、もらってくれ」


 さあ、さあ、と強引に迫る直央の後頭部を、幸介は思いきりはたいた。


「アホかお前は! ちょっとこっち来い!」


 目を丸くしている佳純を置いて、幸介はゲームコーナーの隅まで、直央を引っ張っていった。


 それから、佳純には聞こえないよう、声を殺しての会話を始める。


「あのなあ、プレゼントなんて下策中の下策って言ったのは、誰だよ! お前だろ」

「わかってる。わかってるが」

「明らかに不自然だろ! なんでお前が、倉田の弟にゲーム機をプレゼントしないといけないんだよ!」

「俺がプレゼントするのは倉田佳純に、だ」

「話の流れ的には倉田の弟だろ! お前だって自分から言ってたじゃないか! しっかりしろ!」

「俺が頑張って稼いだ……なけなしのバイト代の一部が……俺自身は買う気も無かったゲーム機のために一瞬で消えたんだ……その悲しみが、お前にわかるか!」

「まだ四万円以上残ってる!」

「PSVRは買えなくなった!」

「それはどうせ倉田だって興味ないからいいだろ!」

「じゃあ、俺はどうすればいいんだ! 何を買えば倉田佳純を喜ばせることができる!」

「まずゲーム機買って倉田の気を引こうという思考から離れろ!」


 そもそも根本的なところを指摘され、直央はグッと押し黙ってしまった。


 ふう、と幸介は息をつき、少し気持ちを落ち着かせた。


「なんだって、そんなにゲームにこだわるんだよ。そりゃ、倉田はオタクかもしれないけど、歴史のこととか、他にもいっぱい興味持ってそうじゃんか。どうしてゲームなんかで」

「それ以外、方法を、知らないんだ」

「は?」

「俺は、こんな風に口下手だから、友達を家に誘うのだって満足にできない。いつもゲームをネタにしてる。小学生の頃から、ずっとそうだ」

「そういや、初めて俺を家に呼んだときも、ゲームやらないか、だったな……」

「他に遊び方を知らない。ちっちゃい頃は体が弱かったから、家の中でずっと一人で遊んでいた。スポーツも苦手だ。だから、一緒にゲームをやってくれるやつでないと、ダメなんだ」

「あー、それでか」

「何が、だ?」

「いや、お前っていつも飄々としてるから、あんまり女の子のこととか興味ないのかな、って思ってて。それが突然、難易度高そうな倉田に惚れ出したから、どうしたんだろ、って思ってたんだよ。あいつがゲームオタクだって知ったから、好きになったのか」

「うむ。彼女なら、付き合えそうだと思った」

「なんだよ、その上から目線。お前が選ぶ立場かよ」


 幸介は苦笑しつつも、ポンポンと直央の肩を叩いた。


「わかった、好きにしろ。俺もできるだけ協力する。次は何を買おうか? ゲームソフトにするか?」

「いや。もういい」

「どうした? 諦めるのか?」

「違う。気が付いたんだ。俺の過ちに。回りくどくやっても仕方がない。これもまた恋愛という名のひとつのゲーム。俺んちに倉田佳純を誘うゲームだ。その攻略法が、こんな姑息な手であるはずがない」


 直央は、ニンテンドークラシックの入った紙袋を幸介に持ってもらうと、胸を張ってズンズンと歩き始めた。


「あ、おかえり。急にどうしたの?」


 さっきと同じ場所に立ったまま、佳純は待っていてくれた。


 彼女の目の前に立った直央は、景気づけに勢いよく鼻を鳴らし、力強く言い放った。


「倉田。今度、俺んちで、ゲームをやらないか」

「え? え?」

「俺んちで、一緒に、ゲームをやろう」

「ご、ごめん、それは無理」

「む、無理か」

「うん、さすがに」

「そう、か」


 数秒で玉砕した。


 しばらくの間、沈黙が続いた。


 突然、直央はきびすを返すと、佳純の前から逃げるように走り出した。


「おい! 直央! 忘れ物だぞ!」


 幸介は紙袋を抱えながら追いかける。


 店の外に出てから五〇メートルほど駆けたところで、やっと合流できた。


 ガックリと肩を落とす直央。見るからに精神的大ダメージを受けている。


 幸介はかける言葉を見つけられずにいる。


「……残念ながら、ゲームオーバーだ」


 直央はボソリとつぶやく。


「俺は機を見誤った。いま誘うべきではなかった。もう二度とチャンスは訪れないだろう……」

「なに言ってるんだよ。これがゲームだっていうのなら、一度負けたくらいで終わりじゃないだろ」


 幸介はニンテンドークラシックスーパーファミコンの入っている紙袋をそっと差し出した。


「コンティニューが、あるかもしれないんだぜ」

「……幸介」

「今日のところは、こいつで遊ぼうぜ。いまからお前んち行くよ」

「おお、心の友よ」

「いっぺん初代マリカーをやってみたかったんだよな」


 徐々に暮れゆく町の中、直央と幸介は向かい合って、静かに笑っていた。



 ※ ※ ※



「ああ、ビックリした」


 直央達がいなくなってから、いまだドキドキしている胸を手で押さえて、佳純は一人つぶやいた。


 男子の家に誘われるのなんて初めての体験だ。


 しかも一緒にゲームをやらないか、なんて。


「やっぱり、私がゲーオタだって、知ってるのかな」


 弟のことをダシに使ったが、実際は弟はゲームに興味がない。中学のサッカー部での活動が忙しいからだ。


 正直、家でゲームを一緒にやる人はいない。


 だから、直央のストレートな申し出には、この上なく魅力的な響きがあった。


「でも、無理だあ……男の子の家に行くなんて」


 せめて佳純の家でゲームをやりたい、とかだったらまだハードルは低いのだけど、それはそれで、親の反応が怖かった。


「しょうがないや。今日もぼっちでゲームしますか」


 買ったばかりの新作ソフトをカバンにしまうと、楽しげにゲーム音楽をハミングしながら、帰途につく。


 佳純が誰かと一緒に家でゲームをやる日はいつか来るのだろうか。


 それはまだ誰にもわからなかった。

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オレンチゲーム 逢巳花堂 @oumikado

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