第76話 八つ当たり。

俺は二人を引っ捕まえると、中央公園から少し離れた場所にある雑木林に向かう。

「まず一つ、お前達は誰に雇われてんの?」

「や、雇われてなんかねぇよ、本当だ!」

俺の問いに、例文みたいな返答をしてくる男に俺は構わずぶん殴る。

「ブフッ……!!」

俺に殴られた男は鼻血を出して崩れ落ちる。


「立て!次のしつもーん、何でいつまでもネチネチ俺を狙ってくんの?」

「そ、それは……仲間がやられたからです……。」

別のもう一人の男はそう言うと、土下座を始める。

「すみませんでした、もうしません!お願いします、助けて下さい!!」


「俺がお前の立場なら、俺を助けるの?」

「あっ………………。」

「あ、あ?あ、じゃねぇんだよ、コラァ!」

そう、こいつ等の口から出てるのは、その場から逃げる為の言い訳だけ。

本心から謝る気なんてねぇ奴らなんだ。

土下座男もサッカーボールキックで片付けた事だし。


「お前らのグループの名前『ディスポーザブルズ』って、どういう意味か知ってんの?」

俺は正座する二人の髪を掴み、質問する。

「し、知りませ……ん……。」

「知らないと、知らないのに入ったの?ズは余計だから省いて『使い捨て』だよ。使い捨て。」

この言葉を聞いて呆然とする二人。

どうやら、知らずに入った事は間違いなさそうだな。


「お前ら、今日は運がいい。何故なら、俺はめちゃくちゃ八つ当たりしたい気分だからな!」

そう、所詮は不良なんてそんなもんだ。

簡単に直りゃしねぇんだ。

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