第2話
「あなた達!スカウトよ、私の仲間になりなさい!」
サングラス、マスク、顔は全く分からないが綺麗な紫色のミディアムヘアーをしている女が後ろに立っていた。
体型ですぐ女性というのも分かった。
「…?なんだこの女?」
「ガッハッハ!この街は変なやつしかいないのぉ!!」
ネロ達は怪しさしかない女にこう言い放った。
「…!!どこが変!?…あなた達の方がよっぽど変よ…」
女は少し慌てた様子を出したが、すぐにネロ達の違和感にも突っ込んだ。
「あの…話が進まないんだけど、仲間にならないって…?」
ロートが恐る恐る話の本筋を聞き出した。
「…ここではまだ話せない。とりあえず!あなた達はこの街では浮きすぎる!着いてきて!」
全く事情も分からないネロ達に無理やり引っ張って、また街の違う店の前に立った。
その店には「Kapsel 〜soap&cut〜」の看板が立っていた。
「とりあえず来て!!」
女に呼ばれ、仕方なく彼らも店の中に入ると、中にはいくつかの人が入れるカプセルが連なっていた。
カプセルの近くにはまたモニターがそれぞれ設置されており、カプセルの大きさにも大中小など様々あった。
「あなたはここね!あなたはあそこ!あなたはあっち!」
女はカルコスは大、ネロは中、ロートは小とそれぞれカプセルを指差した。
何か悪い事されるわけではないと察していた彼らは仕方なくカプセルに入っていった。
「うーん、ローズの香りも良さそう、髪型はこれくらい短くして…」
何やら女はモニターにタッチをしながら呟いている。
男たちは大人しくカプセルに入ったままでよく分かっていなかった。
すると扉が開いていたカプセルはシュー…と音が鳴り、閉じていく。
「お、おい!なにすんだよ!これから!」
「大丈夫よ、ほらカプセル内に入ってる呼吸器を着けて」
それぞれカプセル内に呼吸器が着いていた。
彼らはそれを女の言う通り鼻と口に当てると、カプセル内にあるモニターに服を脱いで下さいとの表示、彼らは大人しく脱ぎ、衣服をカプセル内と繋がっているロッカーに入れるとロッカーが閉まり、カプセル内に人肌並みのお湯が流れてきた。
「こ、これ!ちょっと怖いよ…!!おねーさん!?」
「ガッハッハ!!こんなに気持ちの良い風呂は久しぶりだ!!」
カプセル内にいる彼らはそれぞれ何か言ってたが、たちまちお湯は溜まり洗濯機のように濯がれていった。
しばらくするとカプセル下の排水口が開き、お湯が流れていった。
次にカプセル上からヘアカット用のハサミなど機械に繋がれた状態で出てきた。
すると、ネロは焦って暴れたがすぐに機械が作動し、カプセル内からベルトが出てきてネロの顔や体を固定した。
「大人しくしなさいよー、すぐにイケメンにしてあげるから♪」
女は待っている最中に店中にあった服の販売機で彼らの新調する服を選んでいた。
しばらくすると彼らが入っていたカプセルは開き、裸の状態の男たちが出てきた。
「みんなそれなりに見れるようになったわね、それと下は隠して」
ロートは顔がほとんど見えないくらい伸びていた前髪は、目が当たる程度の前髪になっており、全体的に重めであるものの清潔感のあるマッシュになっていた。
カルコスは1番目立つ大きなアフロをしていたが、大きく髪は切られ、ツーブロックで髪は全て後ろにゴムでまとめられ、後頭部に小さなアフロがついていた。
ネロは野生児の溢れる長髪になって前髪のみ上げて顔は見えていたが、全体的にサッパリして前髪は上げたウルフヘアになっていた。
「今まで来ていた服は捨てといたわ、これ着て」
すると女はそれぞれに服を渡した。
ネロには動きやすさを重視したストレッチの効くスポーツミックスな服装。
カルコスには以前チェーンの付いたズボンを履いていたため、それに近しいようにヒップホップな服装。
ロートには無難にキレイめカジュアルな服装。
と、ロートに服を渡そうとした時、ロートの腕に赤色のリングが嵌っている事に気付いた。
「…」
女は少し考えている間に彼らは着替えを済ませた。
「みんな私のセンス通り、似合うわね。これなら街でも浮かないはず」
「この街ではこんな服を着るのか…、でも動きやすくていいな!」
「ガッハッハ!ワシのセンスも良かったがこんな感じも好きだぞ!」
「なんか…恥ずかしい…」
それぞれが互いの服を見て感想を言ってる間に女が手を叩いた。
「はい。あなた達にも事情はありそうだし、私もあなた達に話したいことがある。そのためにも個室のある場所へ向かいましょう」
店から出て、次は少し坂を登った鏡面の高い建物の前に着いた。
「bubbles bar?」
そんな看板を見てネロは言った。
おそらくまたサプリしか出てこない店なんだろうと思いつつ、一行は店の中へ入っていった。
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