生きざるを得ない
naka-motoo
死ぬことができない
生きたい≠死にたくない、というサブタイトルが描かれた小説をずっと前に読んだ。
それを思い出したのは橋の上でだったんだけど、その橋は右折レーンを含めると瞬間的に3車線となり更に言うとど真ん中を路面電車が走る大橋だったんだけど。
死ぬつもりでその橋の歩道の部分、それは両端と真ん中あたりに流れる川の水面を鑑賞するための少し前面に半円で立つことのできるスポットなんだけど。
雨が上がった後のライトダウンで見える川の波がミルクコーヒーのような色で吸い込まれそうになるけれども。
生きたいわけじゃないけども。
死にたいわけじゃなかった。
死ぬことができないってだけかもと思ったけども。
生きざるを得ないと分からせられた。
別にどうってことないのさ。
生きざるを得ないのさ。
生きざるを得ないのさ。
生きざるを得ないのさ。
三回実際に口に出して呟いて。
家へ歩いて帰った。
朝になって凄まじく早い時間に通勤のために外へ出て、だけども職場に提出してある通勤路を大きく大きく大きく周りに回って今度は上を見上げる。
いいビルってないかな。
屋上が施錠されてなくてフェンスがわざわざ登らないと越えられるようなマンションないかな。
見上げるのに、背筋はねじ曲がってるけど。
脚は湾曲するぐらいに歩を前に出すのをいやいやしてるけども。
死ねない。
死ねない。
死ねない。
死ねない。
死ねない。
なぜなら生きざるを得ないから。
生きざるを得ないから。
生きざるを得ないから。
なんでか。
このことそのものを書けるから。
生きてろ。
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