第10話 由香の過去 ②(響歌の決意)
籠谷「松本君の悪い噂はホントに噂でした。彼は前から由香ちゃんのことが気になっていたようで、松本君が好きなほかの女子グループが、悪い噂を流して松本君に迫っていたらしく、根から良い人でした。」
どんな親に育てられたらそんな子供になるんだろうな、俺には縁もない。
籠谷「そして、由香ちゃんと松本君が付き合い始めたころ、その女子グループのリーダー格をはじめ、同学年の女子全員からのいじめが始まりました。最初は私が相談に乗ったりしてなんとかしていましたが、それではカバーできない程に、いじめはエスカレートしていきました。」
響歌「嫉妬か?、、、怖いな」
籠谷「それが恋ですよ。必ず誰かが傷ついてしまう、ですが、彼女らは少しやりすぎました。最初は軽い無視だったりでした。ですが徐々に由香ちゃんの物が隠されたり捨てられたりするようになりました。極めつけは、悪い人達の力を借りて由香ちゃんを傷つけようとして、、、」
響歌「それだけじゃ、今平野さんが一人でいる理由がないですよ?」
籠谷「、、、由香ちゃんがああやって一人になったのはつい最近です。その時には虐めていた女子グループとも仲直りして、元に戻っていっていました、、、、けれどいきなり、黒い服を着た強そうな男の人たちがやってきて――――
平野さんの写真を見せて近づくなと言い、もし近づいたらお前たちの居場所はないと思えと脅された――――
響歌「、、、姉ちゃんは、それについて知ってたの?」
秋季「ええ、対策は取ろうとしたわ、けれど、、、、」
姉ちゃんは急に俯いてだんまりになる。
響歌「何があったの、、、」
やはり黙ったままだ。それだけ口にするのも嫌なことなのか
秋季「、、、か、、、わた、、て、、、」
籠谷「一体何ですか!そんなに大事なことなんですか?由香ちゃんを助けるためならなんだってしてくれるって――――
秋季「そりゃ対策は取ろうとしたわよ!悪い奴らにも話をつけて近づかないようにした!女子グループにも話を聞いて仲直りするように言った!けど、最後の黒服は―――
そういった瞬間俺は理解した。そうか、全部俺が頑張れば解決するじゃないか、、、
響歌「、、、その悪い人達のこと、詳しく聞かせてもらってもいいですか?」
秋季「!、、響歌、危ないことしようとしないで!」
響歌「まだ何も言ってないよ」
秋季「話聞いてたの!?平野さんのことは私も助けたい、けど、けど、、、、」
実際俺は、無理してでも平野さんを助けようと思った。人生を壊されるなんて体験はしない方がいい、してはいけない。
籠谷「、、、唐松さんも過去に何かあったのですか?」
そんな問いに、答えるかどうか一瞬迷ったが、内容さえ言わなければ別にいいだろう。
響歌「、、、、、はい、、、」比べ物にならないくらい、、、(ボソっ)
響歌「いいから、、、特徴とか、どんな奴らとか、聞かせてもらえますか?」
籠谷「、、、、信じても、、、いいんですか?」
響歌「さすがに俺だけじゃ無理ですけど、、、なんとかします」
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私は由香ちゃんに関する過去を全て話した。この話を聞いたらきっと怯えて由香ちゃんに関わらないようになるだろう。もう誰も頼りにならない、私がなんとかして由香ちゃんを助けようと思っていた。けど、話を聞いたかの、、、彼は、怯えるどころか、自分を危険にさらしてでも助けようとしてくれた。ただ、彼の表情は少し怒りが混じっているようだった。まるで、自分も似たような、いやもっとひどい体験をしたかのように、
「唐松さんも過去に何かあったのですか?」
そう聞いてみた。返答は、はい と、聞こえないくらいの声で、比べ物にならないくらい の二言だった。私は勘違いをしていたのかもしれない。なぜ由香ちゃんだけがひどい目に遭うのかとなやんでいたが、それよりもひどい目に遭った人もいるんだと、
話せば全力で協力してくれる人もいるんだ――――
「、、、、信じても、、、いいんですか?」
反射的に聞いてしまっていた。すると彼は、なんとかします、と言ってくれた。
少し頼りなく聞こえる返答も、彼と共にカッコよく光って見えた
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「坊ちゃま、ようやく連絡をいただけましたか」
「少し、話がある」
静かな深夜の校舎裏で、小さな声が響いていた 6月中旬
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どうもアナザーです
籠谷先輩の口調がなんか変わってきてる気がする、、、
そしてかっこの間に入れる状況説明がアマな私には難しい、、、
それでも応援したい!続きが見たい!と思う方は、星とフォローなんかをお願いします。ではでは~つぎのお話で
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