あと数ヶ月で会えなくなるあなたへ。

りゅう

第1話 あと数ヶ月で会えなくなるあなたへ。





どうして…こんなに辛いのだろう…どうしてこんなに…苦しいのだろう。

僕はただ…恋をしただけなのに……


僕、は今、恋をしている。

恋に落ちた理由は…ない。ただ…気づいたら好きになっていた。この気持ちが恋だと気づいた時、きっかけを探した。たぶん、半年ほど前、傷ついていた僕に声をかけてくれたこと、優しい一言をかけてくれたこと。大丈夫?と聞いてくれたこと…それが、始まりだろう。

相手は1つ年上の先輩、優しくて可愛くて…すごく魅力的な女性だ。


現在、僕は大学三年生、先輩は大学四年生、9月中旬の現在、あと少しで…先輩は卒業してしまう。卒業したら…たぶん、もう関わることはない。もう会えない。もう話すことも連絡を取ることも軽く挨拶することも…できないだろう。


今、世界中で流行しているもののせいで…大学の授業は全てオンライン、もしかしたら…もう、会うことはないのかもしれない。会うことも話すことも、もう叶わないのかもしれない……この気持ちを……伝えること、知ってもらうこともできないかもしれない。


先輩には彼氏がいる。魅力的な女性だ。いない方がおかしい。だから、好きになってはいけなかった。それなのに、好きになってしまった。間違えたなぁ。何度も何度もそう思った。なんで…好きになったのだろう。辛くなるだけ…なのに……


迷惑だと…わかっているさ……

彼氏がいる先輩に…想いを伝えるのは…迷惑だってわかっている。

でも…この気持ちを想いを……


知って欲しかった。


この気持ちは…想いは…たしかに、自分の中に存在している。この気持ちを…この想いを…なかったことにしたくない。


そして、何より、諦めたかった。はっきり無理と、斬り捨ててもしかしたら…などという希望を全て断ち切って欲しかった。


直接、会えない……だから、文章で……告白した。

大好きなあなたに……気持ちを…想いを…知ってもらって……全てを断ち切って欲しかった。この気持ちを…想いを…




好きです。付き合ってください……




ごめんなさい。




当然の結末だ。

わかっていたさ、だって…先輩は……すごく、幸せそうだから。知っている。去年、先輩が彼氏と歩いている時の表情を……何度も何度も見ていたから……あの、幸せそうな表情を……


わかっていた。断られるって…

思っていた。この気持ちを…想いを…全て断ち切って欲しいって……


わかっていた。わかっていたけど…辛かった。耐えきれないくらい。辛い……

本気であなたに……恋をしていたから……


僕の気持ちは…想いは……

あなたにどう伝わったのだろう。

あなたに何を思わせたのだろう。


迷惑かけてごめんなさい。

でも、返事をくれて……ありがとうございます。


この想いを…気持ちを…断ち切って………くれ………て………





どれだけ、辛くても…

どれだけ、傷ついても…

どれだけ、無理だとわかっていても…

どれだけ、断ち切られても……


この気持ちは…想いは…消えてくれない。


あと、数ヶ月で…


あなたと会えなくなる。


その事実が辛い。


このまま、一度も会えずに…もう二度と会えないのかな……




好きです。


この感情を…消したい。


あと、数ヶ月……どう、過ごすのだろう…

何を思うのだろう…


せめて…もう一度会いたい。


好きです。って…直接伝えたかった……




あと数ヶ月で…会えなくなるあなたへ……

この気持ちは…この想いは…伝わったかな……


断ち切ってくれてありがとう。


それでも…まだ…この気持ちは…想いは…


残り続けてしまっている。




あと数ヶ月で会えなくなるあなたへ。







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