ゴーレムで地下に色々と創る為の資金集めのつもり……だったのだが?【改稿版】

@azeru1000

第1話


「フハハハハハ。神に貰ったこの無限の力さえ有ればどんな力が来ようとも倒せるのさ」


 ……事実としてのそいつの周りには無尽蔵とも言える滅茶苦茶な効果と威力の満ちた、エネルギーが満ちていた。だが、勘違いが一つ。


「どれだけイキっても、只の人なのならば所詮世界の一部品。ならまあ、世界をぶつければ倒せるよね」


 そして俺は無尽蔵と見まがう様な力に対して力を行使しそいつを消し去った。それはタイムパラドクスの世界の修正力を狙った対象に強制的に発生させる能力。差し詰めパラドクスクリーナーか。まあ、パラドクスを正すと言う性質上、異世界人や時間を超越する手段全般等の本来ならばそこには居るはずのない存在に対して効果が一番発揮される。その存在がどれだけ大層な存在で有ろうとも、そいつが只の人間だと言うのならば。……。どうやってやったかって?単に世界の力を誘導してぶつけただけだが、世界其の物と存在としてぶつかり合えるレベルで無いなら簡単に消せるのだよな。ゴホン。自己紹介が遅れた。俺はシュライク=バースディ。召喚システムによって歪んだこの世界で、神格個体を創り上げた奴の内の一人だ。……。と言っても、他の神格個体を創り上げた奴達に比べて、俺はかなり出遅れているのだが。水神は海底国家、天空神は空中都市、火焔神はマグマの中に同族達と勢力を揃え、……。俺が創り上げた地母神はまだ然程デカイことは出来ていない。今挙げたこの三つが出来て神格個体を創り上げたにも拘らず何故自分が出来ないのか。その理由は簡単。彼ら彼女らは誰も利権を所有する事の無かった部分の利権を獲得した為だ。それに比べ此方の地母神。テラ・マーテルはざっくり言うと、大地制御能力を持つ。その結果の領分は要するに土地な訳で、所有者が居る様な場所の奴の物の所有権を主張するのは強盗なのだから、ね。だからこその出遅れだ。少なくとも能力的に地底都市くらいならやれる余地は有るはずなのだが、問題は土地の所有権だ。創るなら相当地下深くに創らなくてはならず、インフラ整備はそう言うのが揃う場所から当然遠くなければならず、端的に言えば地底都市を創る上での資金が足りないのだ。地底都市とか水責めでもされたらアレだしね。なので、水神が主催する大会に参加者側として参加することにした。それでコネでも創るとしよう。


「シュラ……資金難の解決の為に大会に参加すると言うのは良いのですよ?問題は其処ではなくて、ですね、その、つまり、水神との伝手は既に有りますが、神格個体を、つまり、私を創れていて、なのに他の神格個体を頼り、その神格個体にレールを用意されて介護されて躍進したなんて成るのは外聞が悪いと思います。と言うか止めてください」

「……とは言え、それなりに資金難を如何にかしないといけないのも確かだが」

「人手不足なら何とか成る手段は有りますから……それで何とかしてください」

「確かに土人形と言う意味でゴーレムの量産が出来て、それで人手は何とか出来る。同族を大量に創り上げ、勢力を創るか、国家や都市を創るか。……同族を大量に作るのは簡単で、問題は場所な訳だが、マントルよりも内側は既に火焔神に取られている訳で」

「龍脈や地脈の化身もいますから、風水的に良い場所や、宝石や鉱物系を避けるために鉱山系の場所も避けるべきです」

「とは言え、全部避けたら此方の取り分が無い。鉱石の生成する能力なんか無いのか?」

「有る事は有りますけど、魔法製の物質は魔法が切れれば消えますよ。食べ物に火を通す形での魔法の結果。つまり、魔法でその形態が維持されていない物なら問題は無いので土砂を大量に用意すれば本物も作れて、それは魔法が消えても残ります」

「……ならば道路の補強工事とかで山を削りコンクリートとかで補強工事する奴が有ったよな。それの工事で出た土砂の廃却分の処分を受け持つ形で貰うとか?」

「材料の質に拘らないのならばやりようは幾らでもありますが、神格個体を得てする事がそれかと言われると……」


 ああ、高貴なる者の努めとか言う奴か。別に俺は高貴じゃないけども。


「知るか。こちとら召喚システムが出来る半年少し前迄は只の一般人だったのだから」

「とは言え、小説で出る様な最強無敵的能力を持つ奴が沢山居て、そいつら全員が好き勝手やりますなんて事態を有りだとするのはどうかと思いますね。忖度抜きの創作主人公達の対決に巻き込まれるのは幾ら強くても勘弁ですから」


 そして話を切り替える事にする。


「それはさておき、そもそも先のあれだって要は特定の条件を満たす強個体には効かない雑魚狩り技ですから、多用はしない様にしないと駄目です。主に戦闘技量的な意味で」

「つまり、簡単に倒せる手段を使わず舐めプをしろと?」

「そうではなく、それは倒せる奴の上限が決まって居る物なのですから、それを多用しても、それが効かない相手とはガチ戦闘の必要が有るのに、戦闘技量が足りないとかに成りやすく、簡単にやられるパターンに成ると思うので」


 つまり、効かないと詰みの能力が効かない時の事を想定し無いのは不味い、と。


「他には舐めプと思われるかも知れないが、しょうがないか。ならゴーレムの創り方を教えてくれ。制御力を鍛えたい」

「解りました。それなら、そうですね。戦闘に直ぐに使えそうなのは、土塊から手を創り、操る物から行きましょうか」


 そして授業を行って貰う。ゴーレム生成は土塊に命を宿す魔法と言い換える事が出来る。ゴーレムの生成には皮膚等の生きた細胞が核として必要で、ここで言うゴーレムの身体はその命の増幅器の役割を果たす機械の様な物だ。つまり、ゴーレムの駆動期間はその生きた細胞が死ぬまでの間でしかなく、長期間の運用は核と成る物を定期的に補給しなければ成らない。……核の有る存在とかそれを破壊されて終わるゴーレムは良くあるが、これは命の創造では無く、命の増幅を前提としたゴーレムなので、そこまで高性能とは言えない。もっとも、創るゴーレム達に命の材料と言う意味で精子でもぶち込めば話は変わるのかも知れないけれども、やりたくは無い。それが核とか、仮に戦闘中に補充する事を考えるとね。


「今回扱うゴーレム生成のその本質は生命のエネルギーの増幅。なのは、良いのだが。そもそもの能力で勝てない相手を倒すのに使うのにこんな能力で勝てるのか?」

「それについては一先ず一人の相手に勝ちたいだけならとことん突き詰めた専門メタ系の専用の存在を創れば良いだけです」

「使い捨て兵器と生物を同じにする思想は流石に不味いが……戦争とかだと前例有るか」

「神格個体と定義される人達は前提条件上、実力が変動する者が多いですけどね。いや、能力バフと言う意味では無く、大真面目に。……まあそうでも無いと専門メタ系存在に狩られている結果、そう言う奴らばかりが残っているだけかも知れませんが」

「幾らでも後出しじゃんけんに対抗出来る奴でも無いと負ける奴に殺しに来られるケースが起きやすいならばそりゃそうか。神殺しの称号は欲しいよな。拍が付くのだし。だからと神ならばどれを倒しても同じなら要は赤子のドラゴンを倒したからドラゴンスレイヤーだと名乗るのと同じな訳だが」

「それはともかく、増幅型ゴーレムに付いては核に成る物が有るのが前提です。ですからそれに直接的な攻撃成り何なりを出来る奴に対する対策も必要です。ゴーレムが如何に凄い物が出来ていたとしても、皮膚等の只の生きた細胞等の核が前提なのですし」

「……流石に元は只の土塊にそう言うのを要求しても難しく無いか?」

「ですが出来ないとそう言う奴に対しては只の案山子と変わらないですから。さて、では、先ず強奪系に対しては……」


 そして追加で講義を受ける。とは言え、要は創作で多用される様な只のゴリ押し以外の核が有る強個体を倒す定番の方法論を成立しにくくし、潰す物が主だ。只、こう言う物はいたちごっこの部類に当てはまる物なので伏せさせて貰う。……さて、ゴーレムクリエイトの前提に成る生命エネルギーの増幅。元々は核に成る物に使う物だが、ちゃんとした生物に使うとどうなるのだろうか?そして実験を行う。その結果、核側が増幅器に高頻度で高いレベルで掛けられ続ける形に成るので、それをやろうとしたら核が損耗し尽すのが早まる様だ。要するに、持続時間が減るのは核と成る物の耐久性の問題のせいだ。あ、ならば、別に強個体を用意して、強靭な生きた細胞を用意出来れば、創れるゴーレムの性能が上がると言う事か。よし。そう言う事なら。


「討伐要請が全体にされている様な強個体を倒すか服従させて、強靭な生きた細胞を手に入れれば、強いゴーレムが創れるから、そう言う個体を倒しに行こう。水神も海獣討伐とかやっているし、対抗の為にもやるのは有りだろう」

「解りました。それなら問題は有りませんね。では、倒す個体の選別に移りましょうか」

「地下帝国的なのを創るならば実益を兼ねて地底生物で討伐依頼が出されている様な奴を倒したいな」

「討伐を望まれる様な強個体で、その条件だと化石燃料や鉱石類や宝石類等の地下資源を食い荒らすタイプの奴を倒すのが早そうですね。もっとも、話題に上がるそう言う奴はそうする事で己を強化する個体のパターンが多いようです。……もっとも、人食い熊的な物では無く人為的に造られた個体でも無ければ只単に食事をしていたら文句を言われたという形の認識な可能性も有ります。捕獲する場合ならそのパターンが望ましいですね。鉱石類なら簡単に創れますから、食料方面の交渉がしやすいので」

「なら鉱石類系の奴に狙いを定めるとして、……そう言う個体が居る場所の詳しい情報を貰うくらいなら別に水神を頼っても良いよな?」

「そもそも生息域が全然違うから詳しくなくとも可笑しくないはずですけど。それに私は能力の都合上大体わかりますよ。そう言う奴の生息地とかは」

「そうだな。すまない。だが、討伐依頼を出している所とは事前に話を付けておかないと。そうでないとやる意味無いし。主にマーテルの身体の細胞を貰えば良い的な意味で」

「それはそうですね。仮に捕獲出来て配下に出来ても大っぴらにしたいのならば、そいつは討伐依頼が出ていた場合に、討伐されるような事を此方がやらせていたと取られるとアレですから」

「……流石に捕獲時期くらいなら話してくれれば通じるのでは?」

「神格個体が居る相手に対しての一般人の真偽判定系能力の審査結果の信頼性は実力差的な意味でどれくらいでしょうか?それに信じられたとしても被害者からすれば該当個体を殺処分してくれと要求して来ても可笑しくは無いですよね?」

「補填をしてやれば……」


 テラは首を横に振り、別案を出して来る。


「結果として人的被害の補償をしろとされる可能性も十分に有りますから、それはしない方が良いです。殺処分と言う判断をさせるために到底払えない物を要求されるでしょう」

「だが、先のパターンの場合はそいつ視点からすれば食事と自衛をした事の責任を取れと言われている訳だろ?流石に訳分らんな、それは」

「……だからと無視すると面倒なのも確かですね」

「そのパターンならば前提的に認識のずれさえ是正すれば十分協力出来そうでは有るな。意思疎通が出来ればだけど。さて、それはさておき色々と情報を確保しようか」


 そしてある程度の情報を各地で仕入れる。ある鉱山の土竜、つまりモグラの変異種が鉱山で悪さをして、岩盤崩落が起きたので閉鎖された鉱山が有るらしい。……流石にこれは仲間には加えられないので、実験に使うとしよう。



 そして場所は変わり、ある廃棄された鉱山に来た。……侵入するとそこかしこが穴だらけである。どうやら討伐しようとする奴と戦った結果、如何やら地中に引きながらのヒットアンドウェイ戦法が戦い方らしく、……これ、何処かの馬鹿が土竜を倒そうとした結果の岩盤崩落じゃ無いか?レベルで穴が空いている。土竜的にも岩盤崩落なんて避けたいだろうし。ゴーレムを出して……、な……、ゴーレムは即座に土竜に破壊された。……考えてみれば当然である。岩盤崩落が起きると言う事は岩盤掘削を出来ても可笑しくは無く、なら低レベルの土人形等、岩盤を掘る要領で壊せて当然だろう。だが、核と成る物は壊されなかったので、その残りを使い土塊の弾を作り、突起状のゴーレムをその残骸から撃ち出す。ゴーレムは壊されても構わない。その残骸が次の一手の布石に成る。ゴーレムをさらに追加する。物量で押す。反撃が只の物理なら大した問題には成らない。炎や雷等の方法も只のモグラに期待は出来るはずもない。このゴーレムは増幅器なのだから、それを耐性に対しても作用させれば良いだけの話だ。まあ素材がレベル低い奴だから性能を盛れなかった結果、土を岩盤以上にするのはまだ出来なかった様だが、それは素材を良くすれば出力を上げられるので、何とか出来る範疇の物ではある……はず。まあ水掛け論的な回答だし、初期の段階ならこんなものだろう。そして腕と足が動けないように拘束し、話を聞いてみることにする。……はぁ……何というかね。厳選も何も厳選した素材で無いと弱いとか、無尽蔵にゴーレムを追加しての物量作戦には厳しい。まあ、それは要研究だ。ゲームで例えるなら単にこれはレベリング前なだけで有る訳だし。理論上は素材厳選すれば何処までもスペックを上乗せできるとは言え。……流石にこれを可笑しい。弱いな。とか言える奴はゲームで言うなら最弱装備で全ての敵に勝てる奴だけだと思う。創作上にはある程度は居そうだけども。



 さて、土竜の話を纏めると、要は空間設置の継続ダメージを与える奴が襲って来たので、そのダメージの無い空間を用意するために岩盤掘削を行って逃れようとしたが、空いた空間にも追加で効果が及んできて逃げるためには岩盤の掘削を継続的に行わなければ成らなかった。と言う事らしい。要するに土竜が想定以上に強かった故の手違いによる事故で有る。もう誰が悪いとか言い出すと両方悪いに成りそうな気がする。土竜的には自衛しただけだし、術者的には高速継続地形破壊が無ければ継続ダメージで始末出来ていたろうし。これは土竜を倒そうとしたのが依頼なら違約金払えで話は終わりそう。と言うかこれはそう言う話にしよう。この土竜は良さそうだし、恩でも売って置くか。話を進めることにする。先ず土竜が討伐依頼された理由は土竜が何かの理由で討伐されそうに成って、それに対抗しようとしたら岩盤崩落が起きたからと成るが、もう下手したら廃坑化レベルな訳だし。仮に土竜討伐が出来たとして、大損害としか言えない結果ともう既に成っている訳だ。それなりに産出量がまだあるだろう鉱山の強制的な廃坑化の戦犯……。本来なら幾ら払わされるだろうね、そいつ。だから土竜が岩盤崩落を勝手にやったと言う話にそいつにされて討伐依頼が大々的に成った、と。……いや、間違いでは無いのだろう。そうしないと逃げられない技を撃ったのが前提に有るとしても、そこを伏せるだけでそれなりな状況には出来るはずだ。さて、どうしたものかね。ちなみに、土竜の岩盤掘削は元から有る掘削能力をエネルギー的な意味で強化したものだとしたら、話を聞く限りなら件の原因の能力モデルはバ○サンだろう。つまり該当生物に取っての毒ガスを該当空間に巻き散らかして満たす能力で、広い所でならともかく密閉空間でそれとか、脱出の為に道なりに進むと相当量の毒を浴びる事に成るだろうしね……。対策は解っては居ても度外視可能な範囲であったはずなのだがね……。いやまあ、だからこの計算違いはしょうがないのだけども、相手方も相手方で今回がもし上手く行ったとしても、それが出来る奴相手には同様な事をされかねないし、能力仕様のアップデートでもしないとまた似たような検案起きるのでは無いかね。どうせ密閉空間に対して使う運用が主だろうし……。其処でテラが土竜を誉めだす。


「多分この土竜の高速継続岩盤掘削能力なんて要は岩盤掘削をする重機並み扱いの扱いは出来ますからね。この土竜は。思わぬ拾い物だと思いますがどうしましょうか」

「こいつの問題を何とか出来たらと言う前置きが付くが、その問題を此方が何とかしようとするから、それが何とか出来たら仲間に成らないか?」

「……。それで合意しなければこのまま殺される可能性も有るからそう言う事なら好きにしなさいよ。なってやるわよ」


 良し。話はまとまったか。


「解った。では、一先ず一時的に此方と別所に移動しよう。少なくとも話の内容を検分して、彼方の話も聞かないとだしな。一時的に此方に捕獲されてくれ。そうでもないと、他が君を殺そうとするだろうし」

「……。解ったわ。……。もっとも、すでに拘束はされているし、それを今は解かないである程度居ると言うだけだもの」

「じゃあそのように」

 ……。此処でこの土竜が素直に従うのは何か違う気もするが、そもそも場合によっては既に殺されている場面では有る。そうならないなら試してみる価値は有るか。



 そして別所に土竜を隔離し、話を聞きに行く事にする。聞く限りの流れの裏付けは取れた。要は討伐任務に出たら討伐対象に逃げられた挙句散々暴れられた構図なため、それなりに既にペナルティーは受けては居る様だ。……まあ、それで本来与えられるはずの罰よりも、かなり少ない範囲の物な為、本来の出した損害に比べればかなり軽い処罰と言えるだろう。とは言え既にある程度の処罰が行われた後か……。とは言え、これは裁判で言うなら片方だけの発言と要求だけが通っている、いわゆる魔女裁判と同じでも有る。まあ、害獣と人間で対等な裁判を、なんて言うのはアレだけど、これは要するに相手方が伏せた情報を公に提示出来れば話は変わるはず。相手が害獣だからでは無く、責任逃れをしている事の証拠を、だが。それならまだやりようは有ると思う。問題はその根拠だ。土竜を表に今の段階で出すと面倒な事に成る気がするのだが、要するに岩盤掘削が、相手の対処としてやらなければ成らなかった事の提示を出来なければ成らない。使用した魔法を公に開示させられれば簡単なのだが、それはまあ、詳細は当然隠すよな。商売道具だし。でも見た奴くらいそれなりに居るはず。完全に隠すのは目撃者を全員殺すのは無理だから隠し通すのは無理だとして、流石に依頼先に手順説明くらいはしているよな?其処に当たって見るか。

 交渉の上でのポイントは、責任を害獣に持たせる事で賠償金支払いを避けている事。その性質上その依頼主側はそいつとグルなはずは無い。大損害の補填をしなくても良いのなら責任を問う話自体が発生しないでも良いし、内々で済ませて終わりで良いはず。そう言う話にした方が早いからな。つまり、土竜討伐依頼を出した依頼主と鉱山の持ち主に対して話を通させられたら味方とまでは行かなくとも、不正を暴く働きかけをさせるようには出来る。……。此処はコネを使い、話を通す。別に詳しい内容にまでは突っ込まなくても良い。結果として毒ガス能力が獣共に周辺の破壊を促す働き掛けをしたのでは無いか?と言う点が伝われば良い訳だ。まあ、後は鉱山の持ち主側の仕事だ。害獣、と言うか、それで土竜の処遇の方の話も上手く行くはず。討伐依頼を出された理由が鉱山の害獣駆除や岩盤崩落の犯人を捕まえる為なら鉱山はもう廃坑だし、犯人と言うより、犯人に利用された側だし。害獣呼ばわりされるのも此方が身元預かりすれば良い、と。

 その後の流れを言えば、件の奴は余罪の追求をされる流れには成った。それは良い。問題は身元保証人として此方が認められなかった事だ。それは何故かと言うと、余罪追及をする事の流れを創った奴がそれだと、まあ怪しい訳だ。邪推をする奴も出るだろう、それは……。いやまあ、保護する事での利益を狙っているかと言われると、そうですとしか言えないのだけれども。結果として水神の関連の方の預かりと成った。いやまあコネがある相手なので、要は形だけなのだが。しかしまあ、本当は鉱石類を鉱山の瓦礫から大量に創ることは可能なのだから、廃坑に成ろうが関係無い状況には出来たのだが、まあ罪の擦り付けをしてきたし、しなくても良いか……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る