高貴な純血の魔法使いの僕が穢れた血を愛する訳がないんだからなっ!

メリーさん

第1話序章

魔法族は過去、非魔族に迫害された。



沢山の魔法族が犯され、殺され、奪われた。



魔非融和が進み純血の魔法族が減り、半純血や完全な非魔族の魔法使いが減った近代でも、その怨みは忘れられないものだった。



それを受けて数年前にとある偉大な純血の魔法使いが非魔族を滅ぼさんと立ち上がった。



しかしとある半純血の、後に英雄と呼ばれる赤子によって滅ぼされてしまった。



それ以降、純血は蔑まれた。中には純血ということを隠すものも出てきた。



しかし両親が言うにはこの身に流れるレッドウィングの誇りを忘れてはいけないらしい。



かのお方がされたことと、純潔であることは関係ないらしい。



レッドウィングに誇りを持って、半純血や非魔族に馬鹿にされないように。強く気高くなければならない。



そのためもあってか、純血の魔法族の家。レッドウィング家に産まれた僕は幼い頃より厳しい教育を受けてきた。



幼い頃から高い魔法の才能があった僕に、両親は大きな期待を寄せて教育を課してきた。



13歳になる年から6年間通う魔法学校【ソロモン】に入る前にある程度力をつけて、半純血や非魔族産まれの魔法使いに差をつけるためらしかった。



辛くなかったといえば嘘になる。



子供に課すにはあまりにも厳しい教育だった。



しかしなんだかんだ愛情を注いでくれた両親と、僕に懐いてくれた妹。



それに、僕が初めてできた魔法使いの友達の彼女。



僕の人生に大いに関わることになる女の子。



エレノア・クリアハート



彼女が居たからだろう。

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