「わたしの犬はお座りができない」 サンダル文庫

 おはきょむ! 十一月も深まってきました、銀杏とか霜柱とかワクワクします。子供か。銀杏の焼いたやつをアテに一杯やりたいですねえ……。


 きょうも架空ラノベ紹介していきます、きょうはこれです!


「わたしの犬はお座りができない」著・坂口やすき イラスト・福 サンダル文庫


 ◇◇◇◇

 わたしの犬はお座りができない あらすじ

 親の無関心のせいで中卒で解体屋で働く少女・まなみ。ある日解体の仕事に向かった先は秋田犬の元ブリーダーの老人の家で、吾郎太というお座りのできない犬をあずけられ……?

 ◇◇◇◇


 まずは初手「わたしの親はわたしに興味がない。」で始まるお話で、きょむすごく身構えて読んだんですね。まなみちゃんは中卒で、なぜかというと高校入試に必要な書類を親に渡したら〆切を過ぎるまで放置されてしまった……というひどい理由なんですけど、とにかく中卒で解体屋で働いています。解体屋の仕事で向かった先の老人の家で、まなみちゃんは運命の出会いをします。虎毛秋田犬の吾郎太です。


 まなみちゃんはその秋田犬の吾郎太を飼うために、いままで自分を虐待してきた実家を出ます。働いているのでお金はそれなりにあるわけです。会社の社長に保証人になってもらって、ペット可物件のボロアパートで暮らし始めるのですが、吾郎太がとにかくでかい。一緒に寝て毛まみれになったりしながら、吾郎太とだんだん仲良くなります。


 そしてこの作品の見どころは、まなみちゃんの見ていた「幸せのない世界」が、吾郎太との出会いによってだんだんきれいになっていくことでしょうか。散歩に出かけて早朝きれいな花が咲いているのを見た、とか、吾郎太を見て「わんちゃんなでるー」って小さい子供が近寄ってくるとか。まなみちゃんもっとたくさん幸せになって……と思います。


 まなみちゃん、最初は孤独で友達がいないんですけど、吾郎太を飼い始めて秋田犬仲間がいっぱいできたり、大型連休に仲間のシゲさんに連れられて吾郎太と秋田県大館市の本部展を見に行ったりとか、どんどん世界が広がっていくんですよね。


 吾郎太がお座りをできないのにも理由があってですね、ショードッグというものは立ちこみといって立たせた状態で審査するんですけど、そこで座っちゃうといけないから吾郎太はおすわりを教わってないんです。まなみちゃんは最初それに困惑するんですけど、理由をシゲさんに教わって「吾郎太にはもしかしてすごい可能性があるのでは……?」と思います。この巻のラストで、吾郎太と支部展に出てみようと決意するので、続刊に期待しかありません。


 身構えて読みましたが孤独な女の子が犬と一緒に新しい人生を切り開いていく、とても楽しいお話でした。オススメです。


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 それではまた次回! きょむなら!

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