「あいつのいない世界なんて」 メヂウムワークス文庫

 おはきょむ! いいですか、ひややっこにはラー油をかけるのです。ラー油と醤油をかけるとそれだけでハチャメチャにおいしくなります。いやそれ架空ラノベになんの関係もないな。


 きょうも架空ラノベ紹介していきます、きょうはこれです!


「あいつのいない世界なんて」著・あずみN イラスト・いぬた メヂウムワークス文庫


 ◇◇◇◇

 あいつのいない世界なんて あらすじ

 十年前、SNSで俺は「あいつ」と「こいつ」に出会った。「こいつ」は作家になり、俺もそれに続くべく頑張っている。しかし「あいつ」はいつの間にかいなくなっていた……。

 ◇◇◇◇


 あずみN先生の最新作です。発売情報見て楽しみにしてました。


 SNSあるある、というかツイッターあるあるぎっしりの作品でした。


 主人公は作家志望の若者で、「あいつ」こと「中崎中身」と、「こいつ」こと「村岡あひる」という同じく作家志望の二人と相互フォローになります。そして、毎日楽しく、こっちの新人賞の評価シートが分かりやすいぞ、とか、千ツイート目いただき~とかやって楽しんでます。


 それからいきなり十年飛びまして、「村岡あひる」はミステリ作家としてデビューするのですが、そのとき「中崎中身」はすでにアカウントがなくなっていて、主人公はあの楽しかった日々を思い出して、でもそのことを村岡あひるに言う勇気がないわけです。


 村岡あひるはミステリ作家になって、人気シリーズを持ち、毎日忙しく小説を書いていて、ツイッターには書籍の発売情報をUPするかおいしい料理の写真をUPするか、という感じです。十年前若者だった主人公も、いまはすっかり仕事が忙しい普通の人になっています。


 それで時々、中崎中身のことを思い出して、どうしているんだろう、と考えます。あいつ当時俺より若かったよな、とか、まさか死んでないよな、とか。中崎中身の正体は分からないままなのですが、主人公が中崎中身と村岡あひるとかわした面白い話のことをときどき思い出すところを見ると、よほどそのころが楽しかったようです。


 ミステリはあんまり得意じゃないのに、村岡あひる著の作品は毎度買う主人公、いいやつの極みではありませんか。もしかしたらあずみN先生の実体験なのかもしれません。


 ほかにもSNS上の仲間たちの描写がとても楽しく、かつ切なくて、結婚して子供が可愛くて仕方がないせいで執筆から離れていくワナビ仲間や、ちょっと前まで高校生だったのに社会人になって働いている子、小説ガチ勢になるがあまり小説の面白さを見失う仲間……みたいな、複雑な人間模様が描かれます。これぞあずみN先生の真骨頂といった感じです。


 人間の関係性に萌えられる人には最高なんじゃないですかね。あとついでにですが謎のアルファツイッタラーの正体が主人公の母親だったときはすっごい笑いました。


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 それではまた次回! きょむなら!

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