「しあわせ美容院」 メヂウムワークス文庫

 おはきょむ! まぁた太ってきました。骨粗鬆症にミロが効くと聞いてミロを毎朝飲んで、夜は日本酒で飲んだくれてるんですけど……日本酒ですか、そうですか……。


 気を取り直して架空ラノベ紹介していきます! きょうはこれです!


「しあわせ美容院」著・佐藤ET イラスト・モモカ メヂウムワークス文庫


◇◇◇◇

しあわせ美容院 あらすじ

カリスマ美容師を目指していた主人公、孝太郎。しかし夢破れて田舎にもどることになり、伯母の美容院で働くことに。そこでいろいろなお客の人生を見ることになるが……。

◇◇◇◇


 すごく心のあったかくなるお話でした。


 主人公の孝太郎は東京ですごい美容師のいるサロンで働いていたんですが、ある日突然クビにされてしまいます。孝太郎は技術はありますが、話術が今一つで、相手の悩みを理解するのが苦手だったんです。それでクレームがきて、孝太郎はそのサロンを追い出されてしまいます。


 田舎に帰ってきて、伯母の紀美子が経営している美容院、ていうかこの雰囲気は田舎のパーマ屋ですね。パーマ屋に勤めることになります。毎日どこぞのおばあちゃんにパーマをあてながら、最初は「俺はこんなところでくすぶってる人間じゃない」と思いながら働きます。


 それでいろいろなお客さんから悩みを相談されます。うちの孫が浪人しているとか、姑がうるさいとか、そういう「俺に相談されても……」というような相談です。それでも真面目にやらなきゃだめだ、と思って孝太郎は真面目に考えます。この成長物語がアツいのです。


 あと孝太郎がトラウマになっている「東京のサロンをクビになった」という悲しいことを、どう昔のこととして処理するか、というのもアツいです。お客さんたちは孝太郎という、若くてそれなりに見目のいい男の子にパーマをあててもらえるのが嬉しくてやってくるわけですが、それで「俺の居場所はここじゃないか?」と考えるのがとてもいい。


 あと伯母の紀美子さんがとにかく面白い。昼にコンビニの焼きそばパン食べてると特大のおにぎりを渡してくる。「そんなの体に悪いわよッ」とか言いながら。紀美子さん、ウソ科学を信じちゃったり陰謀論を信じそうになったりする危なっかしい人なんですが、もともと性格が優しいんですね。ずっと甥っ子の心配をしています。


 このパーマ屋、たまぁに中学生の女の子もきて、その子が遠くの学校に進学することになる、というくだりがすごくいいです。最後に持ってくるエピソードとしてとても相応しい。


 パーマ屋の人情喜劇といった感じのお話でした。人間って素敵だ、と思える、心温まるお話でした。終盤切なさの大瀑布と言った感じで、きょむまたしても列車の中でタブレット見て泣いてる怪しい人になってました。オススメです。


 それではスクショタイムです!(ISBNと日本書籍コードと表紙画像)


 また次回! きょむなら!

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