第1話詐欺師ゴンザレス①
世界最強と呼ばれる存在がいる。
曰く、全てを見通す千里眼を持つ大軍師。
曰く、万の敵すらも打ちのめす大将軍。
曰く、病の悉くを治療して人を救う聖者
曰く、最強にして無敗、世界の叡智の塔に刻まれるランクNo.1も超えた最強ランクNo.0
だが、その正体は一切不明。
男か女かオカマか、年齢も不詳なら、生まれも公爵家の捨て子だとか転生者とか生まれながらの救世主だとか、数え上げたらキリがない。
それら全てを合わせて、誰も見たことがないという。
それが、世界最強ランクNo.0
そもそも世界ランクとは、いつから何故現れたのかも不明な、各大国の首都に存在する世界の叡智の塔。
その塔に刻まれる世界共通のランクのことである。
そして、塔に刻まれる世界ランクの最高はNo.1。
No.0は何処にも刻まれてはいない。
その世界最強に間違われる詐欺師アレス。
またの名を、というか本名をゴンザレスという。
彼は詐欺を行う際に、世界最強No.0と名乗ることがある。
ちょっとあり得ない経歴をつける方が、人は騙されてくれるからだ。
だから、いく先々で人を食い物にしながら、そんな事を繰り返した。
だが、なんの因果か偶然にも、その彼の行動で救われる者たちがいた。
やがて、世界はまことしやかに噂する。
世界最強No.0は存在する、と。
俺の名はアレス。
銀髪で、飲み屋のエスパーニャちゃんからは、黙ってそれなりの格好していれば、それとなくイケメンという評価のあるイケメンだ。
過去はゴンザレスと呼ばれたが、過去は捨てた。
絶賛、現在も切り捨てられそうだが。
「邪魔をするな! No.10!」
長身で黒髪もロングなイケメン男が目の前で、亜麻色の髪の綺麗より可愛いらしい女と剣で切り結ぶ。
「
凄いんだよ?
もう、ブオッと風が舞って吹き飛ばされそうなほど。
彼らの周りは髪色と同じ魔力の層が渦巻いている。
建物吹き飛んじゃったよ?
ねぇ? 君たちほんとに人間?
……そうだった、ランク入りする奴は人間辞めてる奴ばかりだ。
逃げたいけれど、殺されそうだから、達観した目でその光景を見るしかない俺は、今更ながら、どうしてこうなったのか考えるしかなかった。
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