第2話[依存]

桜桃香さくらももか

彼女は幼少期の頃から一人で過ごす事が多かった。

彼女の母は恋多き人だった。

まだ桃香が母親のお腹にいる時の事だ。

母親の浮気癖から誰の子か分からず、彼女の父は離婚を決意。

必死にあなたの子だと告げるも、六人もの男達との浮気。

桃香の父は妻の言葉を信じられず、弁護士を通じ離婚話しを進めて行った。


桃香が産まれ、母親は桃香を虐待する事無く、育てていった。

ある程度、桃香が成長した時、再び母親の男遊びが始まる。

周りから陰口を叩かれる。

子供を愛していないんじゃないか。

そんな事を話されていても気にしない。

私は娘を愛している。

そして、私も愛されたい。

そういった事から彼女は男遊びをやめられないでいた。


そんな環境で育った桃香も、中学一年生。

肉体も徐々に女性らしく育っていく。

そして、中学一年のある日、彼女は男子生徒から告白された。

桃香の容姿は他の女子生徒と比べ飛び抜けていて、周りの男子から人気があった。

玉砕覚悟なのだろう。

男子生徒の手は震えていた。

そんな男子生徒の手を握り、告白を受け入れる。

桃香もまた、母親同様、愛に飢えていたのだ。

そんな桃香の愛を受け入れるには、彼は余りにも若すぎた。


「ねぇ、どうして別れたいって言うの?」

「私の事、好きだって言ってくれたじゃない。」


付き合って三日に別れを告げられた。

どうしてなのか分からない。

何が原因かも分からない。

そもそも、彼が私を愛してくれているのかも疑問だ。

だって、四百通近くもメールしてるのに返事が返って来ないんだもの。

私がどれだけ寂しいか、心配して貰おうと手首を切り、それを送っても返事はない。

それ所か、電話にも出なかった。

結局、彼は私を愛していなかったのではないか?

罰ゲームで告白してきただけだったのか?

どちらにせよ、私の心は傷ついた。

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