第2話
「ふふふっ」
「なあに雪ちゃん。いい事あったの?」
「ふふ、実はね、彼氏出来たの!」
「そうなんだ!おめでとう!いつから付き合ってるの?」
ある日の講義前、明らかに雪の雰囲気が違った。いつもの彼女なら仏頂面で前髪を整えていたり、メイク直しをしていたりするのに、今日は笑顔でスマホを見ている。夏未は直感的に、嫌な予感がした。
「あの、さ、違ってたら申し訳ないんだけど、」
「んー?なぁに?」
「その彼氏って…」
──悠くん、かな──
って聞けたら楽なんだけど。先日出来た初彼氏、悠くんこと、悠希くんはいわゆる陽キャだった。先日突然『お前といてもつまんねぇ、別れてくれ』と告げられたのだ。悠くんとの事を雪ちゃんに教えた時、嫌な予感がしたけどもしかして──
「え?何よ夏未?」
「彼氏、どこの人、なの?」
「どうして教えないといけないの?」
「え、だって」
「『そっちは聞いてたじゃん』ってか?」
「!!な、なんで」
そんなこと言われなくちゃいけないの。そっちは聞いて良くて、私が聞いちゃダメっって何よ。ドロドロした感情が私を支配し出すと、いつも悪い方へ、悪い方へと考えを持っていってしまうのは、私の悪い癖なのかもしれないが、考えずにはいられないのだ。『悠くんはもしかしたら綺麗に着飾って、髪をクルクルと巻いて、香水を振りかけている女の子が好きなのかもしれない』、『私はそもそも好みじゃなかったんだ』、『いや、違う。雪ちやんか良かったんだ』、『何それ雪ちゃんがいいとか見る目ない』とか…あれ?雪ちゃんと悠くん、接点あったっけ…?
裏切りの狼煙 源麗々 @reirei00
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