疫病神の幸せな一週間
子供帰り
昔話
突然だが、僕は「疫病神」なんだ
勘違いしないでほしいが僕は人間だ
ただ、みんなよりちょっと運が悪いだけ
その運の悪さが周りにまで影響するってだけ
こんな事を急に言われても分からないだろうから少し昔話をしよう
といってもそんな昔ではないけどね
僕が21歳の時に両親は亡くなった
死因は交通事故
僕が一人暮らしを始めて独立できた祝いに行った旅行先でね
僕が殺したような物さ、お酒を買ってきて欲しいと頼まなければ無事だったかもしれない
両親をパシッた挙句に事故にあわせてしまったんだ
償いきれないよ
そして悪い事は続く物だ
僕は知り合いが多いわけではなかったが
恋人の佐藤ひまわりと親友の中田智也がいた
僕は両親の葬式などを終えて引きこもっていた
そんな僕を智也は「旅行」に連れて行ってくれた
勘づいた人もいるだろう
智也の死因は溺死だった
僕が海に行きたいと言ったんだ
車から見えた海がやたら綺麗だったからね
その時気づいたんだ
僕が「疫病神」である事に
思い返せば僕に関わった人達はみんな不幸になっていた
例を挙げるとしたら僕の担任になった先生はみんな不幸になっている
離婚だとか大怪我だとか挙げるとキリがない
疫病神のせいでこうなったわけだ
暗い昔話はもうお終いだ
そして僕は丁度1ヶ月後に「疫病神」を自分自身で殺す
僕だって疫病神から脱出する方法を探したさ
でも自分自身が疫病神なんだから脱出もクソもないんだよ…
それにこんな僕を愛してくれたひまわりだけは絶対に傷つけたくないから
しゃべり疲れたし今日は寝るよ
君はこれから僕に起きる事を見守っていて欲しい
誰かの記憶に残ると思うと少し気が楽になる
本当は誰かの記憶に残る資格なんてないけどね
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