14日目 協力と条件
ーー世界が終わるまであと57日
HTDCによると、地球冷却装置を開発するには10日間くらいかかると言われた。彼らは正直、もっとかかると思っていたので内心ホッとしていた。国際警察は多野本、隼人の二人にある条件を与えた。その内容は地球冷却装置が開発され、使用後に破棄されるまで国際警察内部に住むことであった。理由は単純で裏切ることはないとしても、NWの人間に後をつけられないようにする為だ。「色々あると思うがどうかご理解頂きたい」アランが二人に協力を頼むと。「ワシはもちろん大丈夫だ」「自分も大丈夫ですよ、それにここには充分すぎるほどの生活が出来そうですから」「ありがとうございます、協力感謝致します」二人は快く、条件を受け入れた。
国際警察内部は、彼の言う通り充分な生活が出来る環境であった。巨大なドーム状の建物の中に、街を形成していたのだ。スーパーやコンビニはもちろん、スポーツセンターやゲームセンターまであり、学校や病院まであるのだ。ドームの中には約200人くらいが住んでおり、全員創設メンバーとメンバーの家族であった。「アランさん、スーパーとか病院はわかりますが…なんで学校まであるのでしょうか?」彼は素朴な疑問投げかけた。「夕神もそうだが、ここで産まれた子どもはここでの生活になる、外部の学校に通わせる訳にはいかないので、内部に学校を作ってそこに通わせることにしてるのだ」「なるほど、そうだったんですね!ありがとうございます」「またなんかあったら、聞いてくれ」「わかりました、ありがとうございます!」アランは優しく答えてくれた。
彼はその夜、泊まる部屋を教えてもらった。そこは夕神の部屋であった。「夕神さん、自分も同じ部屋に泊まって良かったんですか?」「もちろんだよ!君とは色んな事を話したいし、色々教えたいこともあるからね」「教えたいこと?」「そうだ、君の父親のことだ」「父のことですか?」彼は知らなかった。自分の父親の詳しい仕事や、過去のことを。なぜなら、母親が一切教えてくれなかったからだ。「そうだ、君は父親の職業を知っているかい?」「確か有名な政治家だったかと…」「そう…有名な政治家であり、我々の協力者だったのだよ」「え…?どういうことですか…?」彼は初めて、自分の知らない父親の過去を知っていくこととなる。それはとてつもなく、勇敢な過去であった。
ーー世界が終わるまであと56日
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