12日目 救世主の真実
ーー世界が終わるまであと59日
彼らの救世主になると思われた夕神…。しかし、夕神は仲間を呼び、多野本の身柄を確保したのだった。
「夕神…貴様、ワシをどうするつもりだ…?」「それはあなたが一番分かることじゃないのですか…?まさか…元総理が世界的犯罪組織の一員だったとは誰も思ってなかったでしょうね…」「貴様だって同じだろ…?」「違いますよ、私は諜報の為に潜入していただけ…私は国際警察の人間です…」「国際警察だと…国際警察がワシに何の用だ…?」「何度も言わせないで下さい…あなたを捕まえに来たのですよ…NW壊滅、そして兵器開発を阻止する為に…」「お前ら何か勘違いしていないか…?」「勘違い…?」「ワシはNWに潜入していただけだ、設計図も奴らに奪われないようにする為に持って来たんだ…」「そのような嘘をついても無駄ですよ…?」「嘘ではない…」「多野本さんは嘘をついていません!」「ほう…では証拠を…」「潜入する為に協力してくれた、ある諜報機関がある…そこに連絡すれば分かることだ…名前は………だ…」「今すぐ電話を……」夕神は部下に電話をかけるよう指示をした。
「どうだった…?」「多野本の言う通り、潜入していたことに間違いはありません!」「そうか…(銃を離す)勘違いして悪かったな…」「確かにNWにいたことは事実だ…仕方あるまい…」「良かった…多野本さんがいなくなったらどうにも出来なくなってしまいますから…」「大丈夫だよ…まぁ…これで一安心だ…」「ご迷惑お掛けしました…改めて自己紹介させていただきます…国際警察の夕神 渡の申します」(夕神 渡 ユウガミ ワタル 29歳 国際警察 幹部 男性 2月3日生まれ B型)」「なぜ国際警察が地球冷却装置のことを…?」「私がNWに潜入していた時に地球冷却装置のことを聞きまして…兵器として活用する為に、NWが手に入れようとしているのを聞きまして…」「そうですか…とにかく地球を救う為に設計図を持って来たんだ…」「実はHTDCは実在するんです…」「実在するんですか?」「はい…国際警察内部にある、開発センターです。」「そこでならこれを開発出来るんですか…?」「もちろん、なんせ世界中の技術が集まっているからね…!」「やりましたね…多野本さん!」「ちょっと待て、国際警察の内部にNWが潜入している可能性がある…」「安心して下さい、自分がNWのメンバーの情報をコピーして来たので、名前だけでなく、顔や声、指紋での選別を行なっていますので!」「それなら安心ですね…!」「そうだな…実際ワシらだけではどうにも出来ないからな…多少のリスクなら気にしない方がいいだろう…」「では…明日、国際警察の本部に一緒に来てくれますか…?」「もちろんだ…」「もちろんです…!」「ありがとうございます…!」「それでは、明日に備えましょうか…」彼らに訪れた危機は勘違いによるものだった。救世主は本物の救世主だったのだ。彼らは世界を救う為に協力し合うことを約束したのだ。
ーー世界が終わるまであと58日と7時間52分
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