あと100日で終わる世界
KAITO
1日目 始まりの日
平穏な日常がある日突然変わってしまった。
100日で終わる世界。
世界のどこに居ても逃げられない運命。
皆さんならどのような行動をしますか?
好きな人と一緒に。友達と一緒に。家族と一緒に。
貯金を全部使い切る。旅行に行く。月に逃げる。
様々なことを考えると思います。
しかし彼は、我々が出来ないことをやろうとする…
ーー世界が終わるまであと100日
「緊急ニュースです!国際地学機関(以下 IESO)が地球が100日前後で消滅する可能性が大きいと発表しました。IESOが発表した情報によると、地球内部の温度が急上昇し始め、約100日後には地球内部の温度が2万度になり、地球が大規模爆発を起こすとのことです…今のところ解決する術は見つかっておらず、世界中の科学者を集め、会議を開くとも発表しています…今は慌てず、落ち着いて、デマ情報には騙されず、正しい情報なのかを確認してから行動して下さい!」
ーーある日世界は変わってしまった…。
朝の何気無いニュースが地球の余命宣告を告げたのだ…。日本中。いや、アジア中が…。世界中の人々が叫んだ、「死にたくない…!」と…。
隼人(以下 彼)は考えた、この100日で世界を救う方法を見つけられないかと…。(希島 隼人 キジマ ハヤト 18歳 高校生 男性 5月8日生まれ A型)
彼は特に頭が良いというわけでもなく、科学的なことに特別詳しいというわけでもない。ただ、特にしたいことが無いから地球を救う。そんな理由だった。
「まずは自分なりに情報を探して、IESOの情報を待ってみるか、あと100日なら出来ることもたくさんあるだろうし、やるだけやってみるか。」
彼には好きな人も友達もいない、家族もいないのだ。
父は彼が産まれた時に他界し、母は彼が高校に入学したと同時に、ある事件に巻き込まれ、亡くなったのだ。
彼はいつも他人に自分の功績を奪われるのだ。クラスのいじめられている子を助けた時には、あとから来たイケメンのクラスメイトが慰めたのを先生が褒めただけで終わり、体育の授業でバスケをした時には彼が点のほとんど決めたのにもかかわらず、ブザービートを決めた人が讃えられただけだった。
しかし、彼はその事に対して怒ることはなく、いつもスルーしていた。その代わり、彼の母はとても優しかった。彼の功績をいつも褒め称え、何かとご褒美をあげていた。けれども、もう母はいない。
彼は一人になったが特に生活に困ることは無かった。彼の両親はとてもお金持ちだった為、莫大な遺産が残ったのだ。けれども彼は、お金を使うことをあまりしなかった。残り100日の人生なら使ってもおかしくない、彼は必要以上のお金を使うことは無かった。
「早速デマ情報が錯綜してるな…(各地で火山が噴火してるらしい、海水が80度にまで上昇してるみたい…)とにかくデマ情報にみんなが騙されないようにしないとな、(火山が噴火している情報も海水温上昇も正しい情報ではありません。テレビやラジオでの正しい情報のみを聞いて下さい。)これで良し、送信と…」
「外もだいぶ大騒ぎだな…世界中が混乱するのも無理はないよな…海外じゃどうせ死ぬなら好きなことをするってテロまで起こしてる人もいるし、このままじゃ100日以前に世界が終わってしまうかもしれない、何かしないといけないな…」
彼は世界の混乱を抑える為に、ある運動を呼びかけた。それが(101日運動)だ。みんなで地球を信じて、みんなで101日目を迎えようという運動だ。
たった一人の高校生の呼びかけが世界を一つにしたのだ。ネットではすぐにこの呼びかけが拡散され、有名人も拡散の手助けをしたのだ。有名人が拡散をした事によって、運動自体には注目が集まったが、発信者本人にはあまり注目が集まらなかった。
「今はそんなことどうでもいいさ、手柄を奪われるのは慣れたもんな、さぁ…後はこれからどういう運命になるかだな…」
ーー世界が終わるまであと99日と3時間12分
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