<短編> 罪咎
トト
第1話 プロローグ
俺は知っている、これくらいの罪で無期懲役、ましてや死刑になどならない。
俺より悪いことをした奴らだって、長くて十年、うまくいきゃあ五年で出てくる。
死刑なんてこの国では禁止されてるも同じだ、人権?尊厳?世論の評価に怯える裁判官が人を裁くなどできるわけない。
だいたいあの女が勝手に死んだんだ、俺は何も悪くない。
どうせ二年か三年、ぶち込むんならさっさとぶちこめよ。
男はなかなかくだされない判決に少々飽きてきていた。
いっそ涙の一つでも流し謝罪の言葉でも口にすれば、この退屈な時間も終わるのだろうか。実行に移そうとしたとき、ようやく裁判官たちの話し合いは終わった。
ほらみろ、男はニヤリとほくそ笑んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます