なんでもノート
@rdnt
第1話
「聡(さとし)はもう帰ったのか?」
「そうみたいだね?」
「一緒に帰ろうと思ったのに!最近すぐに帰っちゃうんだよなー」
☆☆
「へへっ!誰もいないな」
この男の子は聡14歳の中学2年生だ。今トイレの入り口のドアを閉めたところだ。
「ポチっとな!」
何かボタンを押すと聡はその場から姿を消してしまった。
自分の家の庭に現れた聡。
「母さんここに居なくてよかった」
「ただいま~!」
「おかえり?最近早いわね」
「まあね!?」
どうしてこんな不思議な道具を持っているのか?
それはいつものように家に帰ってきたあの日・・・
部屋に入ると一見普通なノートが部屋に置いてあって・・・
どんなノートかと言うとこれからすぐ分かるだろう。
「へへっ!今日は何を作ろうかな?」
机の引き出しの鍵を開けるとノートを取り出し書き始める。
「これをこうしてと!」
ノートには靴の形の絵が書かれている。
「完成!」と聡が言うとノートが光り始め先ほど描いていた物がノートの上に浮かび上がる。
ノート片手に玄関に行くと靴を先ほどの「物」にのっけるとサイズや形がその靴その物になりくっ付いた。
「これで壁歩けるよな?」ブロック塀に足を乗っけると重力が壁側に行ってしまったかのように壁に立つことが出来た。
(やべ!地面歩いてるみたいに歩ける!変な感じ!!)
(へへっところで十字路とかどうしようかな今のまま十字路で幅跳びしたらどこに落ちるんだろ?)
十字路に着き一旦地面に戻りもう一度ブロック塀を走ってると
(やべ・・・あいつ等だ・・・)
「あれ?あれ聡じゃ・・・ね?」
「って・・え?」
この二人は聡の友達でさつきとはじめ。
(やべ・・・地面に戻らないと)驚きのあまり横向きのまま考え込んでしまったが気づいた聡は地面に降りる。
「おーい!聡じゃね?」
「やぁ!」
「ねぇ~!今の何?壁に立ってた気がしたんだけど??」
「いや・・・一瞬だけ壁に足つけただけだよ」
「嘘!!!10秒間は横向きに立ってた!」
「どうやったんだ??見えない糸でも付いてるの?」
「そうなんだ実は見えない糸で・・・」
「その糸見せて??」
(やばい!こうなったら本当のことを言うしか・・・?)
そんなこんなで不思議な道具を作れることになったことを明かした。ノートの事は言わないでおいたが。
「ね!どうやって作るの??」
「え??まあいいや・・・お前らだしな!!このノートだよ」
「このノートでつくるのか??」
この調子でばれてしまった。俺だけの秘密だったのだけどな。作れるのばれたのなら二人の前で自由に作れるようにばらしてしまおうって思い打ち明けた。
「そうそう!このノートに書けばなんでも実現できる!!」
「「なんでも??」」
「そう聞くとなんか・・・さっきの見間違いだったのかなって思えてきた・・・」
「おいおい!見てろよ?ホラ!」
2分以上はブロック塀の側面に立ったり歩いたり、その間二人にじろじろ見られたり糸はないかとか色々調べられて。
「やばい本当だったのね・・・」
「本当だったんです」横に立ちながら聡はうなずく。
「あ・・じゃあ最近帰るの早かったのってこれで色々作りたくて?」
「あーそれはねこういう事」
聡はブロック塀から降りてある物体のボタンを押すとしゅんと消えた。
「え?」
「あれ?聡は?」
「二人して夢でも見てたのかな?消えるなんてありえないよ」
ブンッ!二人の前に聡が現れる。
「こういう事だよ?」
「・・・どいう事だよ」
「あーそうだよね!じゃあ、あっちの方見てて?じゃあ行くよ?」
「あ・・・うん!」
聡がボタンを押して消えた瞬間50mは先の方に人影が現れた。
「あれ聡か?」
「サトシだね」
聡が戻ってきた瞬間「こいうことだよ瞬間移動で家に帰ってたってこと」
「ずるっ!」「やば!」
「二人とも使ってみる??」
「え?いいの?」
「いいよ!その前に使い方教えるね?まずこの緑色のマップボタンを押してここのジョイントで移動先位置を設定してこっちの赤いボタンを押すと瞬間移動できるんだ」
「なるほど!私からやってもいい?」
「危ない場所には出ないようにな!この近くに瞬間移動してみて?」
「分かったわ」
さつきがマップボタンを押した瞬間大きなマップが目の前に現れる。マップの背景色は薄くはじめや聡の様子や風景はそのまま見え、マップの自分の現在位置の近くに赤い点が二つ見える。
「マップってこんなに大きいのね!後赤いのは人の位置?」
「そうだよ!」
答えた瞬間さつきがしゅんと消え同時に道路の反対側に現れる。
「おお!!移動できたよ!!おーい!」
「皐月うるせ!聞こえてるよ!」
「ん?サトシーこのRボタンって?」
「押していいよー!」
ブンッ!いきなり目の前に現れたさつきにはじめが驚く。
「さっきいた場所に戻るボタン?」
「さつき正解!リターンボタンだよ」
なるほどね!と言わんばかりにさつきは瞬間移動装置を見ながらうなづく。
はじめもテレポート装置を使った後二人に家まで送ってもらったが不思議とこの壁でも歩ける『重力靴』については何も話に上がらなかった。テレポート装置がすごすぎたのかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます