第85話 教養授業20限目。鈴音先生、現代医学について語る。

こんにちは。如月雪音です。

今週も水曜日の3限目の授業が終わりました。

短い休憩時間の後、

4限目開始のチャイムが鳴ると、

母上が教室にやって来ます。

「起立!」「礼!」

今週の教養授業の始まりですね!

いつもの様に母上様の優しい声が教室に響きます。


「さて、今日の授業では、

現代医学の現状に関してお話ししたいと思います。

最初に面白い実話をお話をしましょう。

イスラエルでお医者さんがストライキをした事があります。

日本でもそうですが、医者というのは結構勤務環境が過酷になりがちなので、

そのストライキは労働環境の改善を要求するものでした。

彼らのストライキ中は当然ですが、医者にかかれる患者は大きく減少します。

病院にお医者さんがいないのだから仕方がありません。

この時は受診する患者の数が普段の十分の一になったそうです。

ところが驚くべき事が起こります。何とこのストライキの期間中、

患者の死亡率が大きく下がったのです。


常識的に考えれば、医者に診てもらえる患者が減っているのですから、

死亡率は上がるはずですが、実際には真逆の事が起こったのですね。

ちなみに医者のストライキが終了し、通常の体制に戻ると、

死亡率は以前の水準に戻ったそうです。


これは現代医学の深い闇の一端を私達に示した事例だと言えます。


アメリカ栄養研究所のゲイリー・ヌル教授は、

2004年に興味深い論文を発表しています。

それによると、当時のアメリカ人の死亡原因は、

1位が医学システムによるもので、年間約78万人、

2位が心疾患で年間約69万人、

3位が癌で、年間約55万人。


彼はこの論文の中で、

『現代の医学は、そのシステムによって病を作っている。

急性の症状、又は緊急の処置が必要なケースを除くと、

現代の医学は人体に対して有効な治療が出来ているとは言い難い…

医薬品業界が利益を上げる為に作られた巧妙なシステムによる被害は、

甚大なものだ』と述べています。


また、これもアメリカの研究ですが、

アメリカで一般的な14の病的症状で多数のサンプルを取り、

それに関して調査した所、

その中の74%は根本的な原因が不明…。

16%は臓器、組織の形質的異常によるもの…。

10%は心理的要因…。という結果になったそうです。

心理的要因というのは、ほぼ医師の主観によるものと考えて良いので、

要するに病気の84%は根本的な原因がよくわからない…という事なのですね。


病院に行って薬を貰うと、大抵症状が治まったら、薬を飲むのを止める様に

言われると思います。なぜなら多くの薬は長期間服用する事で副作用の

危険が高まる…これは薬は本質的に劇薬…一種の毒であり、

体に良いものではないという事なのですよ。

薬は本来に飲まないに越したことはないのです。


風邪薬には咳を止める成分や熱を下げる成分が含まれていますが、

風邪のウイルスを殺す様な成分は入っていません。

そもそも咳や鼻水が何故出るかと言えば、これは体に良くないウイルスや異物を

体外に排出する為であり、熱が上がるのは体内の免疫システムを活性化させ、

風邪を早く治そうとする人間の体の自然な働きです。

これを必要以上に抑えると、返って風邪からの回復が遅くなります。

咳が酷く、夜眠れなくて苦しいとか、

熱が必要以上に上がり過ぎるなど、重症の時を除いて、

本来風邪薬などは飲むべきではないのです。

また、この時抗生物質を処方する医者も多い様ですが、

抗生物質は体に有用な腸内細菌に大打撃を与えます。

ある調査によると、抗生物質を一度服用すると、

腸内細菌の三分の一が死滅し、半年経っても元の数には戻らないそうです。

腸内細菌は免疫に非常に深い作用をしている事が

近年の研究では明らかになってきていますね。

それに抗生物質はそもそも細菌の細胞膜生成を阻害する物質ですから、

細菌ではないウイルスには効果がありません。


花粉症で病院に行くと、多くの場合抗ヒスタミン剤を処方されますが、

これは花粉症を直す薬ではなく、花粉症を感じさせない様にする薬です。

対症療法で、原因を解決している訳ではないのです。

抗ヒスタミン剤は長期服用すると精神に悪影響を及ぼし、

欝を誘発させる事が知られています。


この様に、現代の医学で処方されている薬の大半は、

その病気の根本的な治療をしている訳ではなく、その症状を抑えるだけ…。

殆どが対症療法であり、その安全性もきちんと担保されている訳ではありません。

多くの薬は長期服用する事で、深刻な副作用を発生させる危険性を持っています。


こういう話をすると、それでも日本人の平均寿命は戦後劇的に伸びており、

これは医療技術の進歩によるものだ…という様な反論が出て来ると思いますが、

この平均寿命の算定基準がどの様な計算式になっているのか、

知っている人は殆どいないでしょう…。


ちなみに平均寿命の算定方法に国際的な基準はなく、

各国がそれぞれバラバラな方法で行っている為、

他国と日本のデータを比べる事にあまり意味はありません。

日本の場合で言えば、平均寿命が大きく伸びた原因は、

乳幼児死亡率の劇的な低下です。

厚生労働省はそのHPの中で、日本人の平均寿命は

【補正・仮定・期待値である…】とはっきり書いています。

このぐらいになったら良いなぁ~という参考値に過ぎない…と、

言外に言っているのですよ…。


それと日本の場合、平均寿命と健康寿命の差が大きいことも大きな問題です。

現在の日本の健康寿命は男性が70歳、女性が73歳であり、

平均寿命の男性80歳、女性86歳との間に大きな開きがあります。

【生きているというより、死んでいないと言った方が正しい…】

という人が多いのです。

その様な人生に意味があるのでしょうか?


極地に住む伝統的イヌイットは、その寿命の長短に関わらず、

癌や心疾患に殆どかからない事が知られていましたが、

20世紀後半に彼らがそれまでの伝統的な生活…

各種栄養素やビタミン、EPA等が豊富なアザラシの生肉を食べる…

をやめて、生活を洋式化した途端、癌や心疾患が急増したそうです。


私達の身の回りにある様々な社会毒…有害化学物質や汚染物質、

遺伝子組換え食物、必要ない薬の処方による薬漬け…。

皆さんは今一度この現状を認識し、それに関する知識を自ら深めて

いって欲しいと私は思います…。


それでは、これからは質疑応答の時間にしたいと思います。

いつもの通り手を挙げ、名前と出席番号を言って下さい。

それと授業に関係しない質問はしないこと。

それでは宜しくお願いします」


「女子出席番号1番、明智煕子です。

現代の医学が対症療法に終始する薬漬けである事は理解しましたが、

こういう薬漬けから脱して健康を維持する為に重要な事は何でしょうか?」


それを聞いた鈴音先生は、いつもの優しい口調で答えた。


「大事なのは、薬に頼らず、病気やアレルギーに強い体を作る事です。

①社会毒を避ける。精製された砂糖、アルコール、

農薬や添加物の多い食品を避ける。

➁毒素の排出に留意する。発汗作用はとても大事です。

③良い栄養を取る。鯖缶等からフィッシュオイルを取るとか、

ビタミンを自然食品から取る…。肉や魚は新鮮なものを!

それから食べ過ぎない事!

④経皮毒に注意する。化粧品とかもそうだし、

各種軟膏…特にステロイド系の軟膏などは注意が必要です…。

⑤静電気を帯びる様な衣服を避ける。

⑥強烈な電磁波を出すIHクッカーや電子レンジには近寄らない。

同様に強い電磁波を出す電気毛布やホットカーペットを避ける。

PCやスマートホン等の長時間使用を避ける。

⑦規則正しい生活をする。良い睡眠を取る。朝、日光を浴びる様にする。

⑧毎日運動する。

⑨炎症たんぱくであるグルテンを含む食物…小麦を使った料理の摂取を減らす。

⑩掃除はほうきと塵取りで。殺菌剤の使用を止め、極端な潔癖を避ける。

⑪人間関係を大切にし、笑いのある生活を心がける。


病気やアレルギーの多くは、社会毒の摂取過剰や不規則な生活、

ストレスが原因です。これらを薬によって抑えるのは下策であり、

本当は病気やアレルギーにならない体作りを行う事が重要なのです。

花粉症等の増加で、今や日本人のふたりにひとりは

アレルギーを持っていると言われています。

しかし、昭和の時代には花粉症など殆どなかったのです。

人間は長い間洞窟の様な細菌が多く存在している環境で暮らしていたのであり、

ここ最近のあまりにも滅菌された環境だと、免疫が暴走してしまうのです。

これがアレルギーの大きな原因のひとつです。

伝統的な生活を送るイヌイットや、長命の野生動物は、

現代人の様な癌や心疾患、血管疾患に掛かる確率がずっと低く、

アレルギーとも無縁という事…。

この事を常に心に留める様にして下さい」


ここで授業終了を告げるチャイムがなりました。

と、同時に前の席のビル・G君が私の方に振り返ると言いました。


「オゥ~ミス雪音~。今日のミス鈴音の話もとても参考にナリマシタ!

ミーはマクドナルドのハンバーガーがとてもスキなのデスガ、

これからはモス・バーガーに変えようとオモイマス!」


う~ん、これって対策になっているのでしょうか?

ちょっと調べてみる必要はありそうですね…。

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