死ぬまでの

世界で一番見つめてる

白妙色の甘ーいとき

そこでの私はこう嘯いてた

点滴を施す回復の兆しと

欲望誤飲の鈍化の気配

千重波おののく運命愛

そういえば誰かが人生に素敵な名前をつけてたね

誰が言ってたかなんて忘れちゃうんけど!


いつもの挨拶は朽葉色

乾いた喉に水と一緒に流し込む

相変わらず延々にして

治しても直せないそれを手当てするため

『きっとどこかの専門家がいずれ療してくれるよね!』

昨日は、多めに服用してみた

今日は、じっくり経過観察

明日も、次世代治療に期待してみるんだ

ヒッグス粒子検査とか重力場なんたら検査とかで早期発見できるんでしょ!

予約開始はいつですか

保険はちゃんと効きますか!


カフェイン色素が沈着していく午後は

いつもの日課でお茶を濁す

にがみ成分たっぷり配合の平静に直されたレツェプト探し

解いて瞳に映すのは無味無臭の美と艶

夢のせかいに匙を差して音を立ててかき混ぜる

広がるビタースマイルも別に嫌いじゃないけどね


三更さんこうまたたく星影は運行開始のシグナル

寒花の常燈に火をともす

さあ、馴染みの一等車に乗り込もう

ロールサインは『幸福行き』

噂の秘湯があるらしい

効能は着いてからのお楽しみ!

指定の切符はメラトニンと特急回数券

別に往復じゃなくてもいいのにね

お菓子の持ち込みも忘れずに 特等席のお約束

「すぐトンネルに入るじゃん」はマナー違反!

未定の発車のベルだけは

いつものあれを口ずさむ


明日も世界がよくなりますように。

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