それって食べ物ですか?いいえ飲み物です。

漂車

プロローグ

第1話 ナニコレ?美味しい

???視点


気が付くと目の前は真っ黒だった。

いや、目が開かなかった。

そして、身体が思うように動かなかった。

どうにか頭だけ動かすことができ、唇に当たったのは葉っぱのような感触であった。


ペロッ!

うん、葉っぱだ。


僕が何者かなんて覚えない、あるのは空腹感にだけ。

空腹感を満たせるのは口に付いてる葉っぱのみ、仕方なく唇に触れている葉っぱを口に含んだ。

すると葉っぱから砂糖水のような甘い味が口に流れて来た。

その味に身体が欲しているのか無我夢中で飲み続けた。


気が付くと葉っぱは口から消えていた。

なんか眠くなってきた。

いろいろ情報を整理したかったけど睡魔に勝てず僕は眠った。ぐー…



起きるとぬるぬるなモノが身体中にまとわりついている

目が開かない為、手探りで探った。


寝る前は頭が少し動く程度だったのに今は多少手足が動かせるようになっていた。それに頭もスッキリしてきた。

僕はハイハイの格好取ろうとして手に力を入る、しかし、手がぬるぬるで滑り顔面から地面に打ち付け地面にキスをしちゃた。


地面はぷにぷにしており痛みはないけど、顔面はぬるぬるしたモノが付いたがその味はブドウのジュースのように甘くてコクがあった。うまい!

僕はその味に魅了されまたゴクゴクと飲んでいった。


気がつくと口にあった柔らかい感触が固い感触に変わっている、味が急にお吸い物のような出汁の味に変わった。

それでも美味しかったので空になるまで飲み続けた。

味が無くなり地面から顔を離そうと両手に力を入るとパリパリという音が聞こえてきた。


その感触は乾麺の上を踏みつけている心地いい感じだった。

何も見えず前にハイハイしていると、顔に地面と同じパリパリが当たったがすぐに割れ先に進める。


進むと手に柔らかい感触があった。おそらく草だろう。

ぷにぷにからパリパリ、そしてサワサワと感じが変わって楽しかった。


その手に当たる感触は気持ち良く、気の済むまま進む。

トンと頭が固いモノに当たった。触った感じは木だった。


取り敢えず味見だね。栗の甘露煮の様な味がする。

そのままグビグビ飲み続けているとキギャァァァァと声が聞こえてくるがそんなことより飲みたい。

味が無くなりお腹が膨れたのでその場に身体を丸め寝た。


次の日、目が覚めると目が見えていた。パチリ!

目の前には崩れかけた木が見えた。


取り敢えずお腹が空いたので飲み物を探すことにした。

目を閉じ探るように思うと何となく飲み物が茂みの奥に1匹いるのが感じた。


飲み物に向かう途中に枝や石に当たるがカンという音と共に弾かれている。なにこのスーパーアーマー!すげー!


茂みを抜けると近くの木の半分くらいの大きな狼が肉に噛り付いている。どうやら食事中のようだ。失礼します!

僕は静かにゆっくりと狼に近づくと狼は僕に気づき、逆に近づいてきた。


しかし、僕に恐怖はない。僕の目の前にいるのは飲み物だという感情しか湧かなかった。


ハヤクノミタイ


目の前に来た狼はニヤリと笑みを浮かべ頭からガブッ!?


ガキン!?という金属鳴り狼の牙が砕ける。

そして、狼は驚き暴れ出した。

僕の頭はすっぽり狼の口に入ったが、気にせず狼の舌に口を付け朝食を始めた。


間接キス?イヤイヤ、食料ですよ。

牛タンを食べるのと同じですよ。(たぶん)


狼の味は豚骨スープような味がした。  

こってり系ではなくサッパリ系なのでゴクゴク飲める。

ゴクゴク飲んでいると目の前がシナシナになるのが見えた。


そうなるのかと思いながらも飲み続けると乾物のように硬くなり飲めなくなった。


お腹は膨れたので次の飲み物を探しに行こう。

僕は死体となった狼の口から這い出てハイハイし始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



なかなか飲み物が見つからず適当に進んでいると小さな水たまりがあった。


近づいて見ると水は透明な紫色の水だった。


顔を水に近づけると生まれて間もない赤ん坊が写っていた。


身体は赤みを帯び、髪はまだ生えてなく、目は半開きだった。よく半開きで見えたなこれで…


目の色は水の色のせいでよくわからないが黒ではないようだ。


将来イケメンになるかは今の時点ではわからない。


というか性別どっちだ?と股を見ると何も無かった。


女の子?いいえ。無性です。


ふぁ!?


あまりの事態に前方にでんぐり返し!?


そのまま水たまりにドボン!?


水の味はスポーツドリンクのような味だったので飲み干しましたよ。でも少し塩っぱく感じた。泣


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


少しして水たまりからなんとか這い上がり、次の飲み物を探しに行こうと動こうと思った時に催したくなった。


トイレはないので茂みに入り力むと虹色に輝く半透明の物体があった。


........

よし、次の飲み物を探しに行こう。


飲み物を探しに振り向くとゲームとかでよく見る妖精や小人が謎物質に突撃していた。


しかも目をハートにして…


人?のこと言えないけどアレ食べるの?


だけど僕はその行動より妖精達の味が気になった。


とりあえず僕の横を通ろうとする妖精に近づく。


すると僕に気づいた妖精は急にオロオロキョロキョロしだし、近くにあった平の石の上に横たわり手を組み目を瞑っていた。


これは召し上がれのポーズ?


食べてというならと思い妖精をペロっと舐めるとハッカの味がして離れた。ぺっ!


妖精だからなのかな?と思い小人に近づくと小人は食べてのポーズを取る。


それをペロっと舐めるとまたハッカの味がする。ぺっ!


まさか他もかと思い色違いの小人や妖精に近づいて全てハッカの味だった。ぺっ!ぺっ!ぺっ!…


僕は落胆した。なんてこった…


ハッカは少量なら口がスースーするだけだが大量に飲むと舌は痺れ味がわからなくなし、体が気持ち悪くなる。


だから、この子達は飲み物から除外しようそうしよう。

周りを見ると妖精達が生贄のポーズをして横たわる光景が広がっていた。ワー、コワイ!!


おお、よく見ると平な石が無くて、枯葉や枝を引いてる子がいるなか、尖った石に横になっている妖精がいるな。

見た目は天秤見たいだけどプルプル震えてるじゃん。腰痛めるだろこれ。


僕は妖精の子達が可愛そうに見えたので謎物質から離れることにした。

僕は次の獲物を探しにハイハイし出した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


少し時間が経ち、僕は次の飲み物を探していると頭の後ろからカツンという音が聞こえた。


振り向くが目には何も見えない。


はて?と思い周りを見渡すがカツンという音が近くでするが見えない。


でも、ほんのりブドウの風味が感じた。


いい匂い…


何かいると確信して、味が濃い方に僕は突っ込んだ。


するとナニかあったので軽く吸ってみると真っ黒なトカゲがいた。


まだカツンと音が聞こえるので後ろを向くと捕まえたトカゲの尻尾が刃物になっていてそれが僕を斬りつけている音だった。


僕には一切怪我はなく、うるさいだけだったのでトカゲを飲み尽くした。


真っ黒なトカゲが灰のように白くなるのを確認して僕は進み出した。


今更だが、僕は飲んだモノの力が取り込めるようだ。


そして現在、透明になって移動中である。


何故か?


それは目の前に見上げても顔の全体が見えない巨大な黒いライオンさんかいるからだ。


ライオンさんは寝ていた。鼻息をするたびに周りの木がしなっていた。


僕は気にせずスタスタハイハイでライオンさんの首の毛の中に入った。


モゾモゾ


ライオンさんは気にせず寝ている。


パクッ‼︎


僕はライオンさんの首筋に吸い付く、ゴキュゴキュ飲み始めた。今回はすき焼き味だ。


ゴキュゴキュ


ライオンさんは異変に気付いて動き始めた。


ゴキュゴキュ


ライオンさんは体を振り回したり木に身体をぶつけてきた。

しかし毛皮の中の僕にはノーダメ。笑

気にせずゴキュゴキュ、ついでにもふもふ♡


と余裕を見せていると掴んでいた毛がブチっと抜けた。


おっと!?

ガシッ!?


僕はライオンさんの禿げた皮膚を掴み直し飲み続けた。ゴキュゴキュ


今度はライオンさんが大量の汗をかく、それにより手が滑り出した。

ムムム!?後少しなのに....


ゴキュゴキュ


ぶぉぉぉぉぉぉん


風を切る音が聞こえて僕は空中に吹っ飛ばされだ。


ライオンさんの方は見えないけど進む先に白い大きな馬さんがいた。


じゅるり…


僕は次の飲み物に突っ込んだ。


いただきまーす!


すると馬さんの首輪?が光って目の前に知らない文字がいっぱい現れた。


急な事で僕は回避行動が出来なかった。


僕が文字に触れたと思ったら真っ暗な場所にいた。


........

............


どこここ?


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