イチャラブ加藤恵
犬山猫太
劇場版から更に少したった未来
「ふぅーやっと終わった〜」
9月23日の夜10時、俺は会社のマンションでいつもの様に残業をしていた。
「お疲れ様倫也くん、これでマスターアップまでには間に合いそうだね」
そしていつもの様に俺の隣にコーヒーを運んでくれる名実ともに俺の嫁となった恵。
他のメンバー達は今日は全員帰宅している、まあ色々と気を使ってくれたんだと思う。
「ああ、とりあえずは一安心だな!それじゃあそろそろ予約したあの店に・・・」
「あのお店の予約時間もう過ぎちゃったよ?」
そう今日は2人にとってとても大事な1日・・・
毎年、神様の悪戯か色々なことが起こりすれ違い続けてそして毎年申し訳なさに気持ちが打ちひしがれていく。
「まぁこうなるだろうと思って予約、キャンセルしといたよ。キャンセル代は当たり前だけどかなり取られたけどね」
「ごめんな恵、毎年ちゃんとその日に祝ってやれなくて」
「もう慣れたし、それに倫也くんと2人で高層ビルのレストランで食事っていうのもなんだかなぁだよね」
「それって慰めてくれてるんだよね!?」
「慰めて貰うのは私の方なんだけどなぁ?」
「申し訳ございませんでしたああ!!」
こうして謝るのも何年も一緒に過ごしていれば慣れたものである。
「さーてと、そろそろ家に帰ろうか、ご飯出来てるよお腹空いたでしょ?」
自分の誕生日だというのに恵いつもこうして先を予測した行動をしてくので色々と助かる思いだ。
「ほんとごめんな恵、いつもみたいにご飯の用意までさせちゃって・・・。」
「まぁ、それが嫁の仕事というもんですからね。」
恵はそう言うと俺の手を握って引っ張りながら会社の扉を出た。
そして徒歩1秒の安芸家プラス恵家についた。
恵が先に家に入りこう言った。
「おかえりなさい、倫也くん。」
「ああ!ただいま!」
「ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・。」
恵は少しいたずらっぽくほほえみながら俺に聞いてきた。
「おいおい今日は恵の誕生日だろ!なんでこんなサービス精神多めのセリフを言ってくれるんだよ!?」
ベタだけど残業疲れの今の俺にこのセリフは色々と効く物がある。
「だってえ最近忙しくて中々二人きりになれなかったし少しはね?」
「恵・・・。」
そう甘い空気が流れるのも束の間、俺のお腹の音が盛大に鳴り響いた。
「フフっじゃあご飯にしましょうか。」
そう言うと恵はテキパキとご飯の準備を進めた。
ひとしきりお腹が求める欲求を満たした俺達は二人でソファに座り食休めに入った。
「ゴメンな恵、毎年こんなにバタバタした誕生日でしかも今年はケーキもプレゼントも用意できなくて・・・。」
「別に気にしてないよ倫也くん・・・。」
そっと寄りかかってきた恵の頭を腕で抱える撫でる。こうして二人きりでゆっくりするのもいつぶりだろうか?撫でる度に恵の髪の匂いが俺の鼻孔をくすぐる。
そうしていくうちに徐々にもう一つの欲求が俺の瞼を重たくしていく。
「せめて・・・恵の俺にしてほしいこと何でも言ってくれ・・・。」
時計の針はもう12時を過ぎていた。
「じゃあ・・・」
「誕生日の延長をお願いしようかな?」
恵も少し眠そうに答える。
「延長?」
「そっ、せめて夜が開けるまではこうしていたいなぁ・・・。」
恵はそう言うと俺の顔を今にも蕩けそうな顔で覗き込む。
どうやらこの御方はもう一つの欲求をご所望な様で・・・。
「いいよ・・・何時間でも恵の誕生日をしよう・・・。」
そして俺たちはこのまま夜が明けるまで誕生日を祝った。
そして次の日、朝早くからドタドタと隣の会社からにぎやかな音がしてきた。
その後、今度は家のドアの鍵を開ける音が聞こえた。
「トモー!起きてるー!?会社の鍵なくしちゃってさー折角の新曲のテーマ浮かんだのにさこれじゃ仕事ができないよ!」
音の正体はどうやら美智留のようだった。あいつなんで会社の鍵は忘れて隣の家の鍵を持ってるんだよ!
「あ、氷堂さんおはよう!」
「おっす!おはよー!」
どうやら隣で寝てた恵は先に起きてたようだ。
しかし俺の方は当分起きられそうになさそうだ・・・。3徹明けのこれだからまだ寝させてもらおう・・・・。
「なーんだっ、トモまーだ寝てるのかー。」
「倫也くん徹夜明けだからまだ寝かせてあげてね。」
「そういえば加藤ちゃん、なんか今日は一段とツヤツヤしているね?反対にトモはものすごいゲッソリしながら寝ているけど何かあった?ははーん?さては誕生日だからトモ美味しいお店連れてってもらったでしょ?」
「うーん、まっそんな感じかな!」
恵はそう答えると元気にそう言った。
終わり
イチャラブ加藤恵 犬山猫太 @mintdog
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