04 君

 その日からは、ごろごろしながら、ときどきやってくる同人運搬業者(勇者)を倒して同人を得る生活になった。


 たのしい。


 勇者、入ってきてすぐ行動不能になって、同人を置いて逃げていく。


 同じ勇者が来ないあたり、もしかしたら初心者ごろしのダンジョンなのかも。なんでもいいや。同人が読めるなら。


 ああ、しあわせ。


 見てこれ。同人。読めないぐらいの量。すばらしいわ。読めないほどの同人に埋もれて、毎日を謳歌できるの。


 わたし、前世で相当な功徳積んだな。


 いや、積んでねえわ。仕事がんばっておかねかせいで同人買って読んでただけだわ。


 ごめんなさいねえ。こんな生活しちゃって。最高ですわ。

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