あいあいあい傘

 昼休みから降り始めた雨は、放課後になっても一向に止まなかった。


 朝に天気予報を見ていた私は傘を持ってきているが、彼はどうだろう。


 目が合うと困ったような表情を浮かべた。



 相合い傘、なんて事を現実に私がするとは思わなかった。


 漫画でさえそんなベタな展開は最近見ていない。


 恥ずかしさで耳が熱いが、横に居る彼を見捨てるのも私には選択出来なかった。


 片道40分を雨に濡れたままなんて絶対に風邪を引くと思う。



 傘1本ではあまり雨を防げない。


 なのに私は少し寄り道をしたくなって、彼に断りを入れて公園に足を踏み入れた。


 雨音に混ざって奥から猫の鳴き声がする。


 まさか、と思って急ぎ足で奥に行くと段ボールと猫が雨の中放置されていた。

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