朝が、来る。

朝になる。

また、朝が来る。


白だけの部屋に一人分の影

今日の分の自分が

真空パックから飛び出す

薄汚れたポップ体のチラシ

無料仕様のキャラクタ

唸るような焦りに

絵を描いていく布団


朝が来た

新しい朝が

希望の朝だ


近所の公園の錆びたラジオから

昔の自分が叫んでいる


いち

にい

さん

しい


今の僕も共鳴する


ごお

ろく

しち

はち…


朝になる。

また、朝が来る。


「幸せでしょう?」

と言わんばかりの笑顔で

アパートのドアの向こうに立っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る