第32話 後ろ姿
目の前をゆっくり歩いて行く君の後ろ姿、ずっと見つめたまま、どうやって声を掛けようか悩んでいた。
ただ黙って後を付いていく僕。
待って、話がしたいんだ。
心の中の言葉を飲み込んでいた。
君は気にもとめず、宙を舞った。
飲み込んだ言葉の重さに引かれて、僕も届かない宙に飲み込まれる。
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