腐ってますけど、何か?

小鷹 りく

娘語録①


小学生の娘、七歳、終業式のあった夜。

ベッドの中で娘が話す。


「今日両思いになった」 


ブフォッと吹き出した僕。

ニヤリと嬉しそうに娘は続ける。


「清斗くんと両思い」


誰よ。初めて名前聞いたわ。悪いが他の子供に興味がない。娘のクラスの子の名前は、娘が口にしなければ知らないし顔も名前と合致しない。


「同じクラス?」

「うん。山本先生と今日会うの最後でめちゃくちゃ泣いてたら、慰めてくれた」


ええ男やな。


「お昼も一緒に食べたろうかって言ってくれて、一緒に食べた」


おお、その場限りじゃない所もイイネ。


「遊ぶ時は思いっきり遊ぶし」


男子がはしゃぐの可愛いよね。


「勉強する時めちゃくちゃ真面目に勉強する」


もう完璧じゃん。


「凄くいい子。私の事好き。私も清斗くん好き」


そう言って手でハートを作る。


「でも、私、タクちゃんも好き。タクちゃんも私の事好き。だから二人と両思い」


娘よ、それは二股と言う。



四月からはクラス替え。二人と一緒になれるとイイネ。



無邪気で羨ましいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る