三日
久々に上司から怒声を浴びた。
歳を喰っても結構堪えるもので、未だに動悸が治らないし手も震える。酒を飲む気分にもなれない。
俺はどうにも他人より過敏なようで、一のマイナスが億になってしまう体質に産まれたのだった。些細な注意でさえ自殺の動機になる。いい歳してそんなナイーブは恥ずかしいだけと分かっているがこればかりは気質である。改善しようと思ってできるものでもない。あぁ生きにくいものだ。
そんな糞雑魚メンタルを人前に晒すわけにはいかず、表面上は『やっちまったテヘのペロ』などと死語を用いて反省をしない駄目人間を装ってはいたが正直な話しもう心は死んでいる。ゾンビだ。俺は精神ダメージを負うとハートゾンビマンとして動き回り、帰宅してようやく死体になるのである。
死体となった俺はもう何もできない。当然だ。死んでいるのだから。食事も喉を通らないし、風呂にも入りたくない。明日が休みでよかった。出勤ならファブリーズで体臭を胡麻化さなければならないところであった。
あぁしかし、これは引きずるな。せめて明後日出社する頃には復活していてほしいが、キリストでも三日かかったのだ。俺如きには少し、荷が重い。
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