第7話 初めての和解
「……明兄ちゃん?」
リリーナの呟いた言葉に、聞いてオレはリリーナを抱きしめる。
「すまない。1人にしてしまって……オレが、一緒に暮らそうと言わなければ、命と母さんがあんな事には、ならなかった」
「違う……違うの、明兄ちゃんを驚かそうって、私が言ったの……だから、明兄ちゃんは、悪くないのよ」
レイとリリーナの話が見えず、アイカ達や、オウガ達は、呆然と見ていた。
「ど、どうゆう事ですか? レイ様?」
「キャトピープルの姉ちゃんの言うとおりだ。どうなってるんだ? ラッキースター」
オレとリリーナの、突然の和解に意味が分からず、戦う意欲がなくなったアイカとオウガが、オレ達に聞いてきた。
「複雑な理由があるんだ。リリーナ姉さんとオレには、地球からの繋がりがあるんだ」
「明兄ちゃん。命で、いいよ」
先程まで、憎しみから殺そうとした人間とは、思えない程、別人のリリーナがいた。
「それに、オウガ、キキ。龍之介は、お前を裏切ってはいない」
「馬鹿を言うな! グランドと死闘を繰り広げただろうが!」
オウガの叫びを聞き、龍之介は説明をする事にした。
「すまないな、オウガ、キキ。神界からの召喚で、記憶がなかったんだ。覚えているか、お前達は、日本によく似た国、極東国で戦争孤児になった時に、オレ達6人がたまたま行った時に、どうしても、弟子にしてくれってオレに言って付きまとったんだよなぁ」
龍之介の話を聞く、キキの目には涙がみじみ初めていた。
「お前が、大食いで倉庫の食料を全部食べてしまって、静夜に3人で怒られた事もあった。オレが静夜に言った言葉、覚えてるか….…」
涙を流しながら、震える声てオウガは答えた。
「ガキは、腹一杯食って、思いっきり修行するから強くなる。だから多目にみろよ、だよな師匠……」
「なんでなの? なんで、帰って来ないのよ。私達の師匠じゃない……」
先程の優しい顔が、代わり龍之介が真面目な顔で龍之介がオウガとキキに衝撃的な事を言った。
「それは、10年前のグランド王国の悲劇を裏で操り、現在もゴットアベンジャーにいる。本当の裏切り者がいるからだ」
「「!?」」
「お前達を、竜也を助ける為に、オレは、レイに協力を続けている。取り返しがつかなくなる前に……」
オウガとキキは、言葉を失くしていた。組織が結成した原因は、グランド王国の件から始まっている。龍之介の言葉が、本当なら最大の裏切り者が、組織にいる事になる。
「オウガ、キキ。ますは、落ち着ける場所でレイの話を聞いてくれ。レイは、超越者だ」
オウガとキキは、分からず説明する。
「超越者ってなんですか? 師匠」
「アタイも、知りません。師匠」
「やはり、ゴットアベンジャーの情報は足りないようだ。超越者も含めて、説明しましょう。雫達には、知らせました」
嫌そうな顔の雫為が持ち場から来て、文句を言い始める。
「レイ殿、テレパシーで呼ぶのは、やめてほしいのだが……」
「ホンマやで、頭がぐわんぐわんして、気持ち悪いわ」
「気持ち悪い……」
船酔いみたいな、朱音が青白い顔をしていた。
「テレパシーって、なんだよ師匠!」
「アタイついていけないよ」
『その為の、説明ですよ。2人共……』
頭に直接声を聞いた。オウガとキキが喚き始めた。
「なんだよコレ! あっ、コレがテレパシーなのか、うわっ、吐きそうだ……」
「コレは、ひどいね……」
膝から崩れる、オウガとキキ。
「超能力が使えるようになったの? さすが、私の明兄ちゃんだね」
嬉しそうに、レイに抱きつく命。
「あの〜、リリーナ様。レイ様は、私達の婚約者なので抱きつくのは、ちょと……」
「ボク達のレイだしね」
「一線は引いてほしいですわ」
アイカ達が、リリーナに意見を伝えたが簡単に返される。
「長年、衝突していた兄弟の感動の和解に、あなた達が、口を挟んで良いと思ってるの? だいたい、婚約? 私のお兄ちゃんに、私の許可なく婚約できるはずが、ないじゃない」
当然のように言う命に、唖然とする3人。
「まずは、説明するから、全員拠点に戻ろう。アイカ達には、悪いが命と久しぶりに会ったんだ。
今日は、大目に見てくれないか?」
「わかりました……」
「そうだよね……」
「しょうがないですわ……」
納得できないが、言いたい事も理解できる。アイカ達は、渋々了解した。
「さすがは、明兄ちゃん! さぁ、母さんに乗って」
「ありがとう、命」
フィンリルに乗る、リリーナとレイ。他のメンバーは、ヘルバウンドに乗ってオレ達の拠点に向かった。
オウガ達、3人に神が3つの勢力に分かれていたが、龍之介の件からは、進化勢が敵になっている事。
進化勢は、創造神が邪神や魔神を引いていて、ゴットアベンジャーの裏で進化勢が、暗躍している事。このままだと、最終戦争の危機にある事。
そして、リリーナとの地球での関係と、超越者の説明をした。
「なるほど、話は分かった。しかし、裏切り者の話に繋がらないな。師匠からは、グランド王国の話を、聞いたんだよな?」
オウガの疑問も分かるが、記憶に穴がある龍之介だけでは、情報が不十分だった。
「オレだけ聞いたが情報が足りない、オウガ、キキ、話をしてくれないか?」
オウガは、少し考えてから、グランド王国の話を少しずつ、話はじめた。
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