第四章 狂神の宴編

第1話 特訓と船旅


 西大陸には出発するメンバーは、オレに、ココ、アイカ、ナターシャ、ウィンドラ、龍之介。

 ピースメーカーからは、団長の雫、朱音、楓が参加していた。


 現在、船で3週間程の航海の途中になる。


「大丈夫かい、ナターシャ、アイカ?」


 初めての船旅で、ナターシャとアイカが船酔いで倒れてしまっていた。


「だ、大丈夫です。これくらいの事……」


「そ、そうですわ。初めての旅行なのに……」


 船に乗る前は、婚前旅行とはしゃいでいたが、すぐに、船酔いになって青い顔をしている。


「だらしないな〜。2人共、ボクとココは大丈夫だよねー」


「ねー」


 ウィンドラとココは、船酔いにならず、笑っていたが、しっかりと看病をしてくれる。


「出来ましたよ。かなり苦い薬ですが、船酔いには効果の高い薬です」


 朱音は、調合も出来るようで、ある程度の薬は作る事が出来た。


「朱音さん、すみません。2人の為に、薬を作って貰って……」


「いいんですよ。雫ちゃんも船酔いをするから、いつも作っていますから、それに、かなり辛そうですし……」


「朱音の薬は良く効く。私が保証しよう」


ベットて、横になりながら、冷たいタオルで目を冷やし、ヨダレを垂らしている雫が指でグッドを出していた。


「コレを、見るたびに雫がリーダーで、ウチは情けなくなるわ……」


 楓は、タオルを冷やし直しながら、呟いていた。


 船旅は、暇なのでオレ達は、お互いの得意分野を勉強していた。


 朱音の薬学、ウィンドラの情報収集術、楓の剣術、龍之介の魔法学及び結界術。オレのサバイバル術、アカネ、ココ、ナターシャ、ウィンドラの為にそれぞれの技の特訓をしていた。


「なかなか、形になってきたな」


 龍之介の結果術のおかげで、船で移動中でも様々な訓練が可能になった。


 龍之介の天界での修行の成果で一つの空間に、新たな空間を作る術を知っていたから、この訓練が可能になった。

 

 学校の体育館並みの広い空間で、雫達が先生になり、アイカ達が鍛錬を日々していた。


「極技・炎道暴風フレイムロード・テンペスト


 アイカが放つ技で、炎の後に道ができ、訓練用に作ったカカシに剣で切ると炎の暴風になり、巻き込まれながらチリになった。


 いい技だ。相手を暴風で身動きを出来ない状況にしてから、炎で加速する。そして、炎と暴風で相手に攻撃する。


「休憩しよう! アイカ殿……」


 今日は、龍之介と雫が先生にして、アイカにアドバイスをしていた。


 船にいて、見張りをする必要があるからだ。

 全員がいなくなると、事件になるからな。


 龍之介だけは、特訓の時に必ず先生になってもらった。敵の元ナンバー2だったので、船内での変装をしていたが、ここでは必要ないのといちいち変装が面倒と龍之介が言ったからだ。


 アイカのアドバイスをしていた、龍之介に話しかける。


「天界での出来事は、思い出したんだろ?」


「ああ、日が経つにつれてな、少しずつだか思い出して来たよ」


 龍之介は、笑顔で答えてくれるが不安になる。

 竜帝だった頃を思い出さないか……

 合衆国に龍之介を置いてくる、選択もあったが自分の目が届く所に置いて置きたい……


 龍之介と互角に渡り合えるのは、覚醒した自分以外にはいないのは事実だから……


 合衆国で作った義手を起用に扱いながら、みんなの先生をしている龍之介を見ながら、不安を押し殺す日々は続いた。



 1週間が過ぎた、ある朝……



 看板の乗組員や船長が騒いでいた。


「どうしたんですか? 何か問題でも?」


「クルーが2人、突然いなくなったんだ! 夜の見張りをしていたはすなんだが……」


 船長のお爺さんが、慌てた様子で各部屋を回っていた。


「トラブルが起きたようだな、様子を見て来るから、みんなは部屋で待機してくれ」


「レイ殿、私も行こう」


「雫さん、わかりました」


 雫と船内で聴いた所、船内の見張り台で人が消えているようだ。


 見張り台を調べたら、煤のようなが部屋の隅に溜まっていた。


「レイ殿! 見てくれ!」


 荷物をどかした壁には、煤が人型に残っていた。


「何かがいる……」


「まるで、ホラー小説みたいだな」


 雫は、慎重な顔を煤を調べていた。


「霊の気配は感じないんです」


「レイ殿は、霊能力があるんだったな」


「アンデットなら近づくだけで、消滅するはずなんですが……」


 霊達は、現世で苦しみの中にいる。解放を願いながら、さまよっているので、オレが来ると近寄ってくるのが、ほとんどだ。


 超越者になり、全ての力が上がっている。霊能力も上がり、船内はアンデットホイホイ状態になっていた。


「そうか。それは、アンデットキラーだな」


「考えられるのは、オレが結界内にいる時に来て悪さをしているアンデット。まったく、別の魔物か、人間による魔法、ですかね」


「そうだな、そんな所かな。レイ殿はしばらく結界に入らずに、見張りをしてくれれば、アンデットの線は消えるな」


「とりあえず、みんなに話ますか」


 オレ達は、自室に戻り船内の状況を説明する事にした。

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