第17話 同盟と婚約


「最終戦争? 何を言っているんだ?」


 雫達、ピースメーカーは突然の事で、理解できずにいた。


「オレも、最終戦争ハルマゲドンを聞いて理解出来ずにいました。一月前、までは……」



 龍之介から聖域の話を聞き、ウィンドラにピースメーカーを探して手紙を渡す話をした後の一月前まで遡る。



♢♢♢



「レイ様! 何で教会に行かないニャ!」


 三カ国同盟や聖域の調査、グランド王国についての調査に忙しい日々を送っていたレイは、教会に行く事をすっかり忘れてしまい、教会の件がエリカに知られてしまった。


「信じられないニャ! アルク・ガルス様に、会いに来るように言われて、無視するにゃんて、罰当たりニャーー!」


 興奮気味のエリカに、苦笑いを浮かべて言い訳をしたが無駄だった。


「パパ、エリカちゃんには通用しないよ」


 呆れながら、オレの耳元でココが呟く。


「姉さん、今は、大変な時だから……ね!」


 アイカが、エリカを止めようとしたが、アイカにも矛先が向かう。


「エリカが、レイ様とずっと前から、深い仲になってるのは、知ってたニャ。いい機会だから、エリカも来るニャ」


「「えっ!」」


 エリカとオレが、驚いて同時に驚きの声をだす。


「レジスタンス時代からだよね、バレバレ!」


「ココの言う通りニャ。2人して、雰囲気出しまくりで、バレていないとでも思ったのかニャ? 分かりやす、すぎてみんな知ってたニャ」


やれやれ、とココとエリカが鼻で笑った後、オレ達は、獣神教会にひきづられて行った。


 途中から、ナターシャとウィンドラが合流して、竜神教会にも行く事になった。


 アイカとオレの事は、ナターシャも知っていたが別にいいようだ。


「レイは、王様ですから結婚相手は複数いても問題ありませんわ」


 レジスタンス時代から、何度かナターシャとレイは、肉体関係にあった。

 ナターシャと隠密作戦で、助けるはずの人達が無残に殺され、悲しむレイをナターシャが慰め、いつの間にか肉体関係になっていた。


 レジスタンス時代。アイカとの関係をナターシャに言った時があった。


「レイは、貴族ですから結婚相手は複数いても問題ありませんわ」


 と笑顔でレイは言われた。ナターシャは、別に言いふらす訳でもなく、いつもと変わらなかった事をレイは思い出していた。


 アイカが戸惑っていた。ナターシャの考えを初めて聞いたからだ。


 ナターシャが、ずっと真っ直ぐにレイを見ていた事を知ってた。

 アイカは、レイが自分から離れてしまわないか、心配してナターシャに当たっていた、だけだった、別に独占したい訳ではない。自分のそばから、レイが居なくなる事だけが、問題だった。


「ナターシャ、あなた……」


「アイカ、同盟を組みましょう。レイを独り占めせずに、変な女から、守る同盟ですわ」


 突然、ナターシャからアイカに、同盟宣言がオレの前で提案された。


「いいでしょう。ナターシャ!」


「よろしくですわ。ウィンドラも同盟に加入するはずですわね」


「ボ、ボクもレイの事だから、加入するよ」


 ウィンドラとは、両親を亡くして、沢山の仲間を失い。話を聞いていた時に、肉体関係を持っていた。


「レイの迷惑になりたくないんだ。だから、内緒にしよっ!」


 少し悲しげな笑顔に惹かれ、ウィンドラとの肉体関係は続いていた。


 アイカ、ウィンドラ、ナターシャの間で、謎の同盟が成立した。オレの意思と関係ない所で……


 3人が熱い握手をしていたが、オレ達3人は謎の同盟が出来るのを、眺めているしかなかった。


「レイ様、がんばるニャ」


「パパ、ガンバ!」


「……」


 エリカとココに、励ましの言葉と共に肩を叩かれながら、なんとも言えない気持ちになった。


 獣神教会に着き、 相変わらずムキムキなガリアス神父が迎えてくれた。


「これは、これは、閣下お久ぶりです」


「ガリアス神父、お久ぶりです」


 エリカ達が、沢山の酒樽をお供えしていく。


「レイ様、私考えたニャ。アイカ、ウィンドラ、ナターシャの3人と婚約すればいいと……」


「「「「えっ!」」」」

 

 3人の声が、同時に驚きの声を上げる。


「ナターシャとウィンドラとも深い仲だと知ってたニャ」


「「「「えーー!」」」」


 エリカには、バレバレだったらしく、ココも驚いていたが、アイカは知ってたようだ。


「「「「3人がいいなら……」」」」


 オレ達4人は、お互いがいいなら婚約しても良いと考えいた。アイカは、子供の頃からオレを支えてくれる大事な人。

 ナターシャは、辛いレジスタンス時代から、精神的に支えてくれた大事な人。

 ウィンドラは、守ってあげたい人でずっと笑顔でいてほしい大事な人。


 3人共、同じくらい大事だった。


「これは、素晴らしい! ここに、4人の婚約が成立しましたぞ」


 オレと、3人との婚約が成立した。

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