第9話 獣神教会
オレ達の話を聞いた事により、1度ちゃんと話し合いをする事になった。
「洒落にならないな……竜神教会と戦争なんて事にならなくてよかった」
「ああ、寿命が間違いなく縮んだ」
ウォルとカインは、明らかに顔色が悪かった。
知らない内に国の崩壊の危機だったからしょうがない。
「ボクらなんて間違いなく、罪人だよ。同族からも石を投げられる所だった」
ウィンドラと仲間のハーピー達は、神竜教会の信者なので未来永劫、末代に至るまでもっとも恥知らずの罪人になる所だった。
「オレ達は水神教会の所属だが、同じ立場になったら懺悔の為に教会に通い詰めるだろう……」
スタンリーの言葉に仲間のリザードマン達も同意見のようで納得していた。
「でも、レイはわたくし達、獣神教会の主神アルク様の化身なんて凄いですわ!」
ナターシャとナーガ達は、憧れの先輩を見つめる潤んだ瞳で見てくる。
「今日、教会に行くからまだ実感がないんだけどね」
獣人3大宗教、全ての教会が合衆国にもある。
アイカとナターシャとライチとレインは、獣神教会の所属だかレインはあまり教会に行っていない。
「それは、行けないニャー! すぐに教会に行きくニャー! 神様を待たせるなんて、罰当たりニャー!」
エリカが突然、腕を掴んで連れて行こうとする。
「何だ? 何か起きたんだ?」
「姉さん! 落ち着いて! 姉さんは獣神教会の熱心な信者なんです。毎週教会に行く人なんですよ」
「アイカちゃんも行くニャー! 何かに付けて行かないからダメだと思ってたニャ。神父様に説教してもらうニャ」
今まで見た事がないエリカに戸惑っていたら……
「レイ、諦めろエリカの前で宗教の話はタブーだった」
「待ってよ。カイン兄さん知ってたのか?」
「いや、お前以外の全員が知ってる」
その場の全員と肩にいたココまでうなずいていた。
「みんなも来るにゃ! 全員で教会にゃ!」
「ボクは、竜神教会なんだけど……スタンリー達も水神教会だしね」
「ああ、流石に他宗教の教会は気まずい……」
「なら、他はみんな来るにゃ!」
「オレ達は、仕事がある」
カイン兄さん、逃がさないぞ……全員、道連れにしてやる。
「仕事も大事だか、オレ達は教会に行った事かない……きちんと挨拶をした方がいいだろう」
「な! 汚いぞ」
「教会は苦手なんだが……」
2人の兄が嫌そうな顔をしている。宗教家みたいな名前なのにカトリック家は教会が嫌いなのか?
「そうにゃ、大事にゃ」
「それなら、竜神教会と水神教会も行った方がいいんじゃない?」
ポケットのココが余計な事を言いやがった。
「それならボクも行くよ……寄付をして、この罪悪感を消したい」
「たまには、教会もいいだろう」
結局、全員で順番に教会に行く事になった。余計な事をせずに素直に行けばよかった。
♢♢♢
「ようこそ、獣神教会へ」
ムキムキのミノタウロス族の神父が出迎えてくれた。服はパッツンパッツンで筋肉が浮き彫りになっている。
「大統領と国の中枢をみなう、皆様に来ていただき、このガリアスは幸せですぞ」
ガリアス神父は、信者の信頼も厚く、戦争孤児の保護に力を入れているとエリカが言ってた。
「沢山の寄付まで……迷える仔羊達をこれで救えます」
「いや、良いんですよ。今後は、国でも教会と協力して問題を解決したいと考えています。何か、困った事があれば政府機関に相談して下さい」
「おお〜! まさにアルク・ガルス様のお導き!
感謝致します! 神よ!」
ガリアス神父のリアクションが大きくアルク・ガルスの像に両手を広げて叫んでいた。
「これが、主神獣なのか……」
8つの瞳に巨大な牛の角、狼に近い見た目をしていたが酒樽が沢山お供えされている。
エリカも像の前に酒を並べていたので聞いたら酒に目がない神様らしい。
「供物はお酒と決まってるにゃ」
「そうなんだ……」
どこの世界でも神は酒好きのよいだ。
「アルク・ガルス様は、冥府の主とも呼ばれていて、山よりも巨大な姿で死者を助け、迷える者を8つの瞳で見つけると言われています」
ガリアス神父が説教してくれた。いやー、見た目が怖すぎるだろ。魔獣とし言われても納得する。
「大統領、ありがとうございます」
獣人の子供達が御礼を言ってくれたがアイギパン族がかなり多い、比喩表現ではなく本当に迷える仔羊だったんだな。
「さぁ、一緒に祈りましょう」
みんなで祈り始めるとなぜか意識が飛んだ。
♢♢♢
白い空間で目覚めると昔のヒッピーのようなおっさんが酒を飲んでいた。
「か〜、たまらん。お、起きたか? 久しぶりだな! 元気にしてたか?」
「誰だ? まさか……」
「ああ、オレがアルク・ガルスだ」
なんか……思ってたのと違う!
「まぁ、違う姿を想像してたと思うが本来の姿は刺激が強すぎるからな……会ってすぐに死なれたら困ってしまうからな」
「本来はやはりあの像と同じ何ですか?」
「見たいか? 一緒だけなら良いぞ」
「じゃあ、一緒だけ……」
おっさんが消えると山のようにでかい姿のアルク・ガルスが現れた。青白いオーラを纏っていて心臓が握り絞められよいな感覚があった。教会の像は、かなり正確のようだ。
「な、キツいだろ」
「ええ、一瞬だけで……限界みたいです」
脂汗が止まらない。悪寒に目眩を感じていた。
「ほれ、これを飲め」
「
瓢箪を一口飲むと体の調子が治った。
「なんだこれ……」
「
「へー、変わった酒ですね」
その時は、梅酒や養命酒みたいな感じだと思っていたが不老不死の伝説にある酒と聞いて驚く事になる。
「話をしたかったがお前は教会にきなさすぎだ! 生まれてから1度も顔を出さないなんて思わないから、困ったぞ」
「すいません、生きるか死ぬかの生活だった物で……」
「分かってるよ。しかし、獣人が固めた人生で逆にすげ〜よ」
「詳しい話をしたいから、茶でも飲んで聞いてくれ……」
指をパチンと鳴らすとテーブルに椅子、日本のお菓子にコーラが出てきた。
「コッチの方がいいだろ」
ニカっと笑うヒッピーの神様は、良い神様みたいだ。
現在、神は3つの勢力に分かれていて、地上を神が支配して、神が操る支配勢。
地上に棲む者をたまに助けるが自由を尊重する、自由勢。
もっと積極的に地上に手を出して、進化を地上に促す、進化勢。
3つの勢力は互いに監視しているが、進化勢が特に問題で99%の生物が死滅しても1%が生き残れば良いと考えていた。
「神族は強き者を愛する。気の短い奴等が考えたのが、いないなら自分で作ればいいと言い出した……困ったやつらだ」
アルク・ガルス達の自由勢は、寿命がない神は気長に待てば地上の者は必ず応えてくれると、主張したが聞いてくれなかったようだ。
そんな中で、魔素核兵器が放たれ帝国の周辺にあるはずの魔素がごっそり消えた。
進化勢は、新たな可能性だと笑い、喜んだが支配勢が魔法の元となる魔素の消費に激怒し、戦争の一歩、手前まで来ているようだ。
「あの兵器はダメだ。魔素は魂の輝きにより生まれる一発や2発なら影響は少ないがもし、大量にとなると話は変わる」
アルクの自由勢とシャクナの支配勢で協力して原因を取り除く話になったようだ。
「レイには、今の作戦を実行してもらいたい」
「わかりました」
「たまには、顔を出せ。待ってるぞ……」
霧が出て来て、意識が途絶えた。
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