10センチが憎い

⑩貴方は真生で『10センチが憎い』をお題にして140文字SSを書いてください。



「真生? 何だよ人の顔ジッと見て」

 咲斗君とは昔から身長がほぼ同じだ。それが今、階段で生じた10㎝によって彼から見上げられている。

 無自覚な色香。僅かに覗く舌が、赤い。

「邪魔。早く退けよ」

「……わかってますよ」

 悪態をつく唇を見下ろしながら、衝動を誘う高低差を少し憎く思った。



─────


2020.5.17投稿


慣れない角度から見るもんじゃない。

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